上司の言葉に反発したり、悩んでくれたりするほうが、フィードバックでは断然効果を期待できます。

「はい、わかりました」と深く考えず即答する部下がいたら、「どうわかったのか、あなたの言葉で話してもらえませんか」と本人の理解を確認して、軽く流さないようにしましょう。

 上司としては、厳しいことを伝えても、面談の最後はお互いにハッピーな状態で終わらせようとしたがります。「お互い頑張ろう」といった、何となく前向きな雰囲気で終わろうとするケースが多いのですが、少なくとも1回目の面談は、きれいに終わらせる必要はありません。

 逆に、相手がざわざわした状態で面談を終えて、家に帰って、思い出して「あの上司の言うことは腹が立つな。でも言っていることは正しいような気もするなあ」とモヤモヤしてもらうほうが「認知的不協和」が生じて行動を変えるきっかけになります。

 厳しいことを伝えられてうれしい部下はいません。ただし、ネガティブフィードバックでは、その反応は一時的なものであることを覚えておいてください。

厳しいことを言いたくないという
感情を自覚することが大切

 耳が痛い話をされて喜ぶ部下はいませんが、伝えることがうれしい上司もいません。