「自分の仕事に足りないことを全部言語化してくれる本」「会社員人生が180度、変わった!」
そんな感想が届いているのが、安藤広大氏の著書『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』シリーズ三部作だ。これまで4400社以上の導入実績があるマネジメント法「識学」をもとに、ビジネスの現場で「一生活躍し続けられる」メソッドや思考法を授ける本シリーズは、さまざまな業界から圧倒的な支持を集めている。
今回は、全ビジネスパーソンに必須の「意思決定」のあり方を指南する、シリーズ最新刊『パーフェクトな意思決定 「決める瞬間」の思考法』の中から、特別に本書のエッセンスを解説する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

【一発でバレる】職場で「お荷物」になってしまう人の特徴・ワースト1Photo: Adobe Stock

「後出しジャンケン」をする人たち

 あなたの会社には「お荷物な人」がいないでしょうか。
 そうなってしまう人の特徴について、述べようと思います。

 人は文句を言う生き物です。
 他人のことに関しては、ああだこうだと言いたくなる。そういうものです。

 そして残念ながら、どんな物事にもメリットとデメリットが存在します。

 たとえば、友達と2人で食事に行くことを考えてみましょう。
 その友達から、次のように聞かれました。

「和食にする? 洋食にする?」

 それを受けて、あなたがどちらかに決めたとしましょう。

 和食を選んだら、魚が新鮮ではなかった。
 すると、「洋食にすればよかったね~」と友達に言われた。

 あるいは、洋食を選んだら、味付けが濃すぎて重たかった。
 すると、「和食にすればよかったね~」と言われた。

 そんな2つの未来が待っているとしましょう。
 どう感じるでしょうか。きっと腹が立つはずです
 そして、「こんな後出しジャンケンは理不尽だ!」と思うはず。

 では、どちらのお店にするのが正解だったと思いますか。
 じつは、別にどちらも正解なのです
 そして、本当の正解は、「その人の文句を無視すること」しかない。

 2人以上いると、それは組織です。
 誰かが意思決定者であり、そうではないほうの人は、いくらでも文句が言える
 この現実からは逃れることができません。

 そして、「後出しジャンケンをする人」こそが、会社や組織において「お荷物社員になってしまう人」の特徴なのです。

「人を責める人」になってはいけない

 決めるということは、残りの選択肢を捨てることです。
 どちらかを選び、どちらかを捨てる。

 選んだほうには、デメリットも含まれています
 捨てたほうには、メリットも含まれています

 それが当然です。
 だから、その「決めるときの苦しみ」がわかる人になりましょう。

 先ほどの食事の例なら、「決めてもらった人は責める資格がない」ということです。

「やっぱり和食がよかったね」と反省するのは、意思決定した人であって、「もうこのお店には行かない」ということを学習すればいいだけ。
 決めた人を責めないということです

 そして、そういうことを当然と考える人を仲間として増やすのです。
 組織にいるすべての人がそれを当然と捉えるような状態にならなくてはいけない。
 そうすれば、誰だってチャレンジができるようになります
 組織内での失敗が恐くなくなっていくのです。

 1人でも多く、「後出しジャンケンをするお荷物社員」を減らさなくてはいけません。

「決めた人を尊重する」という原則

 多くの組織では、「決めた人」が文句を言われます

「もっとこうすればいいのに」と言われてしまいます。
 つまり、「後出しジャンケン」ができてしまうのです

 ここで、大前提があります。
 それは、「いつだって、決めた人を尊重しよう」ということです。

 チャレンジした人が偉い。
 失敗した人が偉い。

 それをここで宣言しておきましょう。
「後出しジャンケン」をするような「お荷物社員」はスルーするしかないのです

 どんな人も、自分でいまの環境を選び、そこで与えられた状況があります。
 その状況に不平不満を言っても、何も変わりません
 そこから先は、自分で決めるしかない。
 そうやって腹をくくることが大事なのです。

(本稿は、パーフェクトな意思決定の著者・安藤広大氏が特別に書き下ろしたものです)

安藤広大(あんどう・こうだい)
株式会社識学 代表取締役社長
1979年、大阪府生まれ。2002年、早稲田大学を卒業後、NTTドコモ、ジェイコムホールディングス、ジェイコム取締役営業副本部長を経験。プレイングマネジャーとして「成長しないチームの問題」に直面し悩んでいたときに「識学」に出合い、2013年に独立。多くの企業の業績アップに貢献した。2015年、株式会社識学を設立。わずか4年足らずで上場を果たし、これまで9年間で約4400社に識学メソッドが導入されている。著書にシリーズ累計150万部を突破した『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』(ダイヤモンド社)がある。『パーフェクトな意思決定』はシリーズ最新刊。