並んだビジネスパーソン写真はイメージです Photo:PIXTA

質問に対して適切に答えることは、ビジネスパーソンにとって重要なスキルの一つです。しかし、答えようとしている内容は正しいのに、「答え方が残念」な人が少なくありません。今回は、質問に分かりやすくスマートに答える上で、誰でも実践できるシンプルなコツを伝授します。(ギックス共同創業者 田中耕比古)

回りくどい答え方をしてしまう人が
やりがちなパターン

 打ち合わせの場などで「質問」に対して、適切な回答をしない人は、非常に多くいます。

 回答がトンチンカンな場合は論外として、もったいないのが、内容は正しいのに非常に回りくどい答え方になってしまっている人です。

 この問題は、少しのテクニックで改善します。若手社員に対しては、早々に指導してあげるべきだといえるでしょう。

 例えば、「この売り上げ数字の横に書いてあるパーセンテージは、前年比の数字ですか?」という質問があったとします。

 この質問に対して、

● 売り上げ数字は、実績と前年比と予算比の3つの指標で管理しています。ご質問いただいた数字は……
● ご覧いただいているエクセルのC列の「売り上げ」は月次売り上げです。その隣のD列には……
● 本日ご報告している月次決算資料では、売り上げ進捗の状況を記載しています。その中で、売り上げの状況を把握するために……

 などという答え方をしてしまうのは、残念なパターンです。

 これは、「正確に伝えよう」という気持ちが強いがゆえに、「ありとあらゆる情報をしっかりと説明して、ちゃんと理解してもらおう」としすぎてしまった結果です(個人的な経験上、管理部門系、特に経理財務領域の仕事に従事している人に多くみられる説明の仕方だと思います)。

 もちろん、情報は正確に伝えるべきですし、誤解を招くような回答方法は避けるべきです。しかしながら、上記のような答え方では、質問した人は「まわりくどいな」「さっさと質問に答えてほしい」というふうに感じてしまいます。そういう意味で、この質問には、最初に「はい」「いいえ」で答えるのが正解です。

 とはいえ、実際には、今回の質問のように「はい・いいえ」でシンプルに答えられるものばかりではありません。そういう場合に、どのように回答していくのが望ましいのでしょうか?