2024年5月19日~27日、ハーバードビジネススクールの学生約120人が研修旅行、「ジャパン・トレック」で日本を訪れた。この研修旅行は日本人学生が主体となって企画・運営されているもので、ハーバードビジネススクールで絶大な人気を誇っている。参加者の一人、コートニー・モンゴメリーさんは、これまで「北アメリカの外に出たことがなかった」という。そんな彼女が訪日研修で最も印象に残ったこととは。(取材・構成/作家・コンサルタント 佐藤智恵)
「北米を出たことがなかった」
ハーバード学生が日本を訪れた理由
写真提供:コートニー・モンゴメリー
今回、日本への研修旅行である「ジャパン・トレック」に参加したのは、何よりも異文化を体験してみたかったからです。
アメリカ・バージニア州の田舎で育った私は、ハーバードビジネススクール(以下ハーバード)に入学するまで、北アメリカから外に一度も出たことがありませんでした。行ったことがある外国といえばカナダだけ。しかも2回、短期滞在したのみです。ですから、「ハーバードに入学したら絶対に外国に行こう」と心に決めていました。
その中で最初の旅行先として日本を選んだのは、大学時代に構造工学を専攻していたことが大きいかもしれません。デューク大学では、日本の公共交通システムをずいぶんと研究しましたから、日本の駅や道路をこの目で見てみたいと思ったのです。
また、私のようなアメリカの外にほとんど出たことがない人間が異文化を体験するのに日本ほど最適な国はないとも思いました。私の周りの友人たちは、誰もが「あんなに美しい国はない」「日本は旅行先として最高だ」と言っていましたし、日本にはアメリカとは全然違う伝統的な文化があると聞いていましたから。
日本へ行くと決めたものの、ジャパン・トレックはハーバードでも最も人気のある研修旅行の一つですから、あっという間に定員がいっぱいになってしまいます。申込日当日は、直前までクラスメート同士で連絡を取り合いながら、サイトがオープンするやいなや、すぐさま申し込みました。