「歳をとった親が言うことを聞いてくれない」。誰もが一度はこんな経験をしているのではないでしょうか。「親がいつまでも自分のことを若いと思っている」「病院ギライがなおらない」「お酒の量が減らない」などその悩みはさまざまです。親のことを思って言ったのにもかかわらず、いつも喧嘩になってしまうのは、実は伝え方に問題があります。そんな問題を解決すべく、『歳をとった親とうまく話せる言いかえノート』が発刊されました。本記事では書籍の一部を抜粋してお届けします。

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老いた親のわがままに困り果てる

「家から近いところに住んでよ!」。子どもがそばにいないと不安だったり、心細かったりするのでしょうね。親と過ごせる時間も残りわずかなのだとしたら、なるべく要望を聞き入れてあげたいものです。

 しかし、あなたの家庭の事情もあります。それに、自分の人生の主役は「自分自身」ですから、生きたいように生きるべきです。こうなると、親子のあいだで折り合いがつかなくなりますね。

 こんなときは、はじめに「感謝の言葉」を伝えることからはじめるのがいい方法です。たとえば「(親の考えを)教えてくれてありがとう」などです。まずは親の気持ちをしっかりと受け取ったことを伝えましょう。

 このひと言を伝えてから「近くに住むのはむずかしいけど、これからも遊びに来させてね!」と妥協案を伝えましょう。親の要望は「子どもと、もっと一緒にいたい」です。それを妥協案で満たしてあげれば理解してくれるはずです。何事も「感謝の言葉」から伝えると、スムーズにいくでしょう。

 また、地方などに親が住んでいてなかなか簡単に会えないという場合は、「定期的な電話」などの提案をするのもいいでしょう。電話であれば、声で親の様子の変化にも気がつけますからなにかあっても安心です。