老後の明暗は50代からの「駆け込み資産形成」でこれだけ変わる!賢い人がやっているお金の貯め方とは?もう年金には頼れない。50代にやっておかないとマズイ資産形成とは(写真はイメージです) Photo:PIXTA

40代のときは定年後をイメージしづらかったのが、50代になると急に老後の資金不足が不安になる人は少なくありません。ここで踏ん張って資金を貯めようと頑張る人だけに幸せな老後が訪れ、そうでない人には悲しい末路が待っています。もはや国の年金だけに頼っている場合ではありません。老後格差に苦しまないよう、今から考えるべき「お金」のこととは?(生活経済ジャーナリスト 柏木理佳)

定年後の不安に襲われる50代
「老後準備」で分かれる明暗

 定年後の生活費が急に心配になる50代。米国では50代になると、私的年金の払い込み金額を増加できるキャッチアップ掛け金という仕組みがあります。日本でも給与が高い50代で、収入が多いうちに資産を増やしたいと思う人がいる一方、今さら資産運用なんてできないと諦める人もいます。ラストスパートで資産を増やそうと頑張る人とそうでない人の二極化が進んでいます。

 来る衆議院選挙でも基礎年金の受給額の底上げなどが議論されていますが、現実的には急に年金の受取金額が増加することはイメージしにくく、むしろ逆に、物価高で年金だけでは足りず、繰り上げ受給する人が増えるのではないかと懸念されます。満期は40年から45年にのび、受け取り開始は65歳から67歳へと延長される可能性があります。
 
 米国でもリタイアメント・インカム・クライシスが増加しており、50代を「蓄える年代」と意識し始める人が多数います。企業型401k(確定拠出)の限度額が、50歳代には年間6500ドルも増やせるキャッチアップ掛け金制度があり、2割がこれを利用しています。2割がこれを利用しています。日本でも50代は個人年金保険に加入する割合が他の世代より最も多く、退職金をもらう前に将来のことを考える人が増えています。
 
 50代は、老後準備としては資産形成のラストスパートを迎えているのです。40代のときは定年後をイメージしづらかったのが、50代になると「あと何年働けるのか」とカウントダウンが始まった気持ちになり、受給年金額を調べる人も増えます。急に老後の資金不足が不安になり、ここで踏ん張って貯めようと頑張る人だけが、堅実に資産を増やせるのです。