「歳をとった親が言うことを聞いてくれない」。誰もが一度はこんな経験をしているのではないでしょうか。「親がいつまでも自分のことを若いと思っている」「病院ギライがなおらない」「お酒の量が減らない」などその悩みはさまざまです。親のことを思って言ったのにもかかわらず、いつも喧嘩になってしまうのは、実は伝え方に問題があります。そんな問題を解決すべく、『歳をとった親とうまく話せる言いかえノート』が発刊されました。本記事では書籍の一部を抜粋してお届けします。
老いた親から高額な仕送りを要求される
「こっちは年金生活なの。もうちょっと仕送りを増やしてよ」。生活費が足りていないと、親が感じている状況です。多くの高齢者は「年金生活」ですが、親が受け取っている金額と求める生活レベルにギャップがあるのでしょう。
とはいえ、仕送りをあてにされても困る人は多いのではないでしょうか。子ども世代も、日々の生活を生きるだけで精一杯です。
こんなときは「親も子も同じ立場である」のを強調する言葉をかけてみてください。たとえば、「私もそのうち年金生活になるんだよ。でもその頃には、年金自体がなくなるかもしれないんだって」と返答しました。
このように返答することで「生活資金に困っているのは、子どもも同じなんだ」と自然と理解できます。過剰な要求を抑えられるはずです。
余談ですが、食事をごちそうしたあとに「見返り」を求める人がいます。しかし、ごちそうしたのは本人の意思ですから「ごちそうさまでした」と言われた瞬間に「貸し借り」はなしになると思います。
それと同じように、親が子どもを育てる過程で、お金を使い果たしたとしても“本望”だと考えてみましょう。親がお金に困っていたとしても、無関心はよくありませんが、過剰に責任を感じる必要もありません。