本人にしてみれば、声をかけられてからようやく気が付くので、「もっと早く声をかけてくれれば、状況が変わっていたのに」などと言います。「もっと早めに声をかけてくれれば、外食やショッピングに行くなどして気分転換をし、また来週から頑張れた。どうして、病気になってから声をかけて来るんだ」と。

 2つめは、調査を続けて行くと、調子が悪くなったそもそもの理由が、「自分の評価に関わるようなこと」「パートナーのことなどかなり個人的なこと」「見方によれば些細なこと」だったりするのです。

 私は、この2点から「病気ではない健康な状態でも、自らの判断で気軽に話ができるような仕組み」を社内につくり、そこに相談すれば良いのではないか、と考えました。

 しかし、仮にその仕組みがあったとしても、自分の評価に関わるようなことを会社には相談しないでしょうし、プライベートなことや、パートナーに関する悩みを、上司や人事労務担当者に相談することは常識的に考えてもないだろうと思いました。