大企業で働いて、安定した暮らしを手に入れた中高年が直面する「転職すべきか、せざるべきか」問題。転職を決断するも、そこで待ち受ける家族からの反対だが、そこでどう対処し、どう結論を出せばいいのか?65歳の定年までに14回の転職を経験した人事のプロである著者が、現状を踏まえて助言する。本稿は、梅森浩一『定年いたしません! 「ジョブ型」時代の生き方・稼ぎ方』(光文社新書)の一部を抜粋・編集したものです。
家族が転職に反対する
理由のトップ3とは
この傾向に特段の驚きはないのですが、同記事によると「ただ、家族の同意を得るのは簡単ではない」とあり、紹介されていた「反対された主な理由」が気になりました。
それによると、そもそも「転職自体に良くない印象がある」「年収が下がる」「大手企業勤務等、肩書きがなくなる」が反対理由のトップ3だったのだそうです。
ここからは、今まさに「定年」を目前に控え、「転職しようか」と真剣に思い悩んでいるあなたの背中を、私が一押しすべくアドバイスをしたいと思います。
と言いつつ、「思いとどまるように」とアドバイスもいたします。「どっちつかず」で恐縮ですが、「それが正直な私の気持ち」であることも、この際、あえて述べておきたいと思います。
ではまず、そもそも「なぜ家族は、転職によい印象を持たないのか?」について考えてみましょう。