「ストレスで呼吸が止まる『咽頭喉頭異常感症(ヒステリー球)』とは何か?」
そう語るのは、これまでネット上で若者を中心に1万人以上の悩みを解決してきた精神科医・いっちー氏だ。「モヤモヤがなくなった」「イライラの対処法がわかった」など、感情のコントロール方法をまとめた『頭んなか「メンヘラなとき」があります。』では、どうすればめんどくさい自分を変えられるかを詳しく説明している。この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、考え方次第でラクになれる方法を解説する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)
とつぜん喉が詰まる!
息ができない!
「喉に何かひっかかる感じがする」
「喉がつまって息苦しい…」
「喉に何かできている感じがする」
風邪をひいたわけでもないのに、こんな喉の症状が続いていたりしませんか?
じつはこの喉の異常はストレスによって起こっているときがあって、突然喉が苦しくなったり息がしづらくなったりするのです。
こんな症状が続くときには「咽頭喉頭異常感症(ヒステリー球)」と言います。
今回は、このヒステリー球について共有したいと思います。
ヒステリー球って何?
ヒステリー球は、喉に異常がないのにもかかわらず、まるで何かが詰まっていたり、咳がつづいたり、とても乾燥しているなどの違和感を感じるように感じる状態です。
そんなヒステリー球は精神的なストレスや緊張、不安が関係していると考えられていて、ストレスがたまると、喉周りの筋肉が緊張して、まるで何か詰まったように感じたり、ストレスによって自律神経が乱れ、そのバランスが崩れることで喉に異常を感じやすくなるとも言われます。
それで「ぜったいになにか病気があるだろう!」と思って病院で診てもらっても「異常なし」と言われて、医療機関を転々としてしまうことが多いんです。
しかし、それでも自覚症状があるので、何とかしたいと思うものです。
「気のせいだ」と片づけずに、しっかり対策を取りましょう。
どうやって対処するの?
ヒステリー球を改善するには、まずは「ストレスを減らすこと」が大事です。
自分のためにリラックスタイムを確保して、好きな音楽を聴いたり、散歩をしたり、趣味に没頭する時間を持つようにしましょう。
これだけでも喉の緊張をほぐす効果があります。
また、呼吸を意識することも大切です。
呼吸ができなくて焦るとよけいにストレスを感じてしまうので、深くゆっくりとした呼吸を練習すると恐怖心も抑えられます。
それ以外でも、日常でできるケアとして、
・喉に負担をかけないようにする
・過度な咳払いを控える
・乾燥や刺激物を避ける
・適度な水分補給をする
・快適な寝具や枕を使って良い睡眠をとる
といった、自分の喉を労わるような取り組みも有効です。
日常生活のなかで自分の喉を労わるようにしてみましょう。
咽頭喉頭異常感症(ヒステリー球)は、ストレスや不安によって起こります。
「喉が詰まった感じがして息がしづらい」
「咳き込んでしまって喉がイガイガする」
そんな風邪のような症状が治まらないで続いているときは、あなたの心と体が「ちょっと休もうよ」というサインを送っているのかもしれません。
喉の違和感だけと思って放置していると、気づいたら胃潰瘍や不眠症で悩んでしまうようになることもあります。
あなたの喉が「もう限界!」って叫ぶ前に、ちょっと自分をいたわってみてください。
(本稿は、『頭んなか「メンヘラなとき」があります。』の著者・精神科医いっちー氏が特別に書き下ろしたものです。)
精神科医いっちー
本名:一林大基(いちばやし・たいき)
世界初のバーチャル精神科医として活動する精神科医
1987年生まれ。昭和大学附属烏山病院精神科救急病棟にて勤務、論文を多数執筆する。SNSで情報発信をおこないながら「質問箱」にて1万件を超える質問に答え、総フォロワー数は6万人を超える。「少し病んでいるけれど誰にも相談できない」という悩みをメインに、特にSNSをよく利用する多感な時期の10~20代の若者への情報発信と支援をおこなうことで、多くの反響を得ている。「AERA」への取材に協力やNHKの番組出演などもある。