段取り上手な人の特徴

 対して、段取り上手な人は「やる気」をあまりアテにしていません。もっといえば、基本的にはやる気が出ないことを前提に仕事を前に進めようとします。

 もちろん、それはやる気がないことがいいというわけではなく、彼らはあくまで「やる気が出たときはボーナスタイム」としか考えていないという意味です。

 ですから、気持ちに左右されないようにスケジュール管理や仕事の進め方を事前に決めてして、調子がいい日も悪い日もなるべくパフォーマンスにムラが出ないようにするのです。

 かつて私が若かった頃、師匠に仕事の秘訣を聞いたことがあります。そのときに言われたのは「いい日も悪い日も同じことを繰り返す。調子でどうにかするのはプロの仕事ではない」ということです。これは今でも私が仕事で一番大切にしていることです。

 繰り返しになりますが「やる気があること」はいいことです。ただ、やる気はときに私たちの判断力を奪います。勝負どころでは勢いの波に乗るのもいいですが、それだけでは日頃の仕事はまわりません。そのことを頭の片隅に入れておいていただけますと幸いです。