EVになり渡河性能が向上、水深85センチメートルでも走れる

 ルックスはICEのGクラスと基本的に共通だが、GターンやGステアリング以外にもオフロード性能が大きく進化した。たとえば渡河性能。ICEが最大700mmなのに対し、エンジンのエアインテークやマフラーが必要ないG580は最大で水深850mmまで進むことができる。オフロード走行時は低速を維持して走行。ドライバーはアクセルやブレーキ操作をすることなくステアリング操作に集中できる「オフロードクロール機能」も搭載された。

モーター走行にしたことで最大渡河性能がエンジン車よりも高くなった。バッテリーは強固にプロテクトされる(広報写真)モーター走行にしたことで最大渡河性能がエンジン車よりも高くなった。バッテリーは強固にプロテクトされる(広報写真)

 クロスカントリー系のクルマは、過酷な環境での走破性を高めるためにデフロックという機構を搭載していることが多い。デフ(デファレンシャルギヤ)とは、コーナリングで生じる左右タイヤの回転数の差を打ち消す装置。これによりコーナリング中でも自然に走ることができるが、ぬかるみなどでスタックして左右どちらかのタイヤが空転すると、空転しているタイヤに駆動力を伝えようとしてしまい、ぬかるみなどからの脱出が困難になる。そこでデフをロックして左右の回転数を同じにすることで、スタックしていないタイヤに駆動力を与える機構だ。

 4輪それぞれにモーターが備わるG580にはそもそもデフが存在しないが、スタックした際には各輪のトルクを正確に制御してデフロックと同様の効果を生み出す仮想ディファレンシャルロックが備わっている。