トヨタがまさかの4位
1位は豊田通商で1262.6万円
今回は、上場企業の有価証券報告書に記載された「平均年間給与」のデータを基に、愛知県に本社がある企業にフォーカスした、「年収が高い会社ランキング2024【愛知県】」をお届けする。対象期間は2023年5月期~24年4月期。平均年収、従業員数、平均年齢は単体ベースで、従業員数100人未満は除外した。
それでは早速、ランキングを確認していこう。
1位は豊田通商で、平均年収は1262.6万円。一般的に大手商社の年収は高いことで知られるが、1位となった背景には、24年3月期決算の業績が好調だったこともあるだろう。
具体的には、主に自動車販売の増加により、売上高に当たる「収益」は10兆1889億円(前期比3.5%増)、営業利益は4415億円(同13.6%増)、経常利益は4696億円(同10%増)、純利益は3314億円(同16.6%増)と、特に利益面で大幅な増収増益だった。
2位はあいちフィナンシャルグループ(FG)で、平均年収は977.2万円。同社は22年10月3日に設立された。共に愛知県を地盤とする第二地方銀行の愛知銀行と中京銀行が経営統合してできた金融持ち株会社である。
3位はダイコク電機で、平均年収は958.8万円。昨年版のランキングでは11位だったが、20.5%も年収を上げてトップ5に入った。同社は、パチンコ・パチスロホール向け設備機器の開発・製造・販売と、遊技機の表示・制御ユニットなどの開発・製造・販売が2大事業。ホール経営用コンピュータと、遊戯ファン用のデータ表示機で業界トップシェアを誇る。
24年3月期決算は売上高が538億円(前期比69.2%増)、営業利益が120億円(同198.6%増)、経常利益が121億円(同184.1%増)、純利益が84億円(同189.1%増)の大幅な増収増益だった。スマート遊技機専用を含むカードユニットや、情報公開端末の販売台数が好調に推移したことに加えて、24年7月からの新紙幣流通に先駆けたカードユニットの改刷対応需要も好業績を後押ししたという。
さて、世界に誇る日本のトップ企業であるトヨタが4位、しかもグループ傘下の豊田通商に平均年収300万円以上も水をあけられていることを、意外に思う人も多いだろう。
従業員数に着目してほしい。トヨタの単体従業員数7万224人は、今回のランキング対象企業である全145社の中でずば抜けて多い。にもかかわらず、ベスト5に入る高年収であることが、トヨタの強さを物語っている。
5位は岡谷鋼機で、平均年収は894.2万円。創業350年以上もの歴史を誇る同社は、名古屋証券取引所のプレミア市場でしか上場していないが、製造業を中心に地元企業と密接な結び付きがある。中部財界で大きな存在感を示していることを詳報した記事『トヨタは高みの見物、半導体イビデン躍進!最新「名古屋財界50社」勢力マップを大公開』を参照してほしい。
ランキング完全版では、6位以下の全145社の順位と平均年収を掲載している。トヨタグループでトップ5入りを逃したデンソーやアイシン、豊田自動織機、ジェイテクトなどは何位なのか。また、中部地方の大手企業であるJR東海やスズケン(医薬卸)、リンナイ、東建コーポレーション、リゾートトラスト、そして不正報道を受けて改革中の中古車販売大手ネクステージは何位にランクインしているのか、ぜひチェックしてみてほしい。
(ダイヤモンド編集部 柳澤里佳)