夫婦が再び、より良い仕事の機会を求めて引っ越しを始めている。夫の収入が増える見込みの場合は、そうした転居を行う傾向がより強い。引っ越し後、男性の収入が5~10%増加するのに対し、女性の収入は停滞する傾向にある。米プリンストン大学の経済学者、シーマ・ジャヤチャンドラン氏が中心になって9月に実施した異性カップル調査で明らかになった。この調査によると、カップルは男性の収入を改善するために転居に踏み切る傾向が強い。転居が女性のキャリアにより有利に働く場合でも、それは変わらないという。雇用市場が減速しているため、夫婦が夕食時に引っ越しについて話し合うことの難しさが増している。夫の金融関係の仕事のためにデンマークからイングランドに転居し、自身のキャリアを再スタートさせたアンリエット・ヨンセンさんは「妻として支えなければ、という心理的圧力が少しある」と話す。