いまシリコンバレーをはじめ、世界で「ストイシズム」の教えが爆発的に広がっている。日本でも、ストイックな生き方が身につく『STOIC 人生の教科書ストイシズム』がついに刊行。佐藤優氏が「大きな理想を獲得するには禁欲が必要だ。この逆説の神髄をつかんだ者が勝利する」と絶賛する同書より、内容の一部を特別公開する。
今回は、ローマ帝国の皇帝として地上最大の権力を持っていたにもかかわらず、哲学者として生きた「哲人皇帝」マルクス・アウレリウスの言葉を紹介しよう。彼は多くの子どもをなくし、蛮族の侵攻や軍の反乱の対処に追われ、疫病が蔓延する憂き目にも遭った。
しかし、自分ではコントロールできない外部のことには執着せず、内面のコントロールできることに集中するというストイシズムの考え方に従い、淡々と賢明な政策を打ち出した。そうした思考の根幹がわかる言葉だ。
悩みを捨て去る
というより、すべての悩みを追い払った。
というのも、それは外ではなく内にあり、わたしの意見のなかにあったのだ。
─―マルクス・アウレリウス『自省録』(第9巻13)
自分次第で「悩み」はなくなる
マルクス・アウレリウスは、意見を変えればものの見方がすっかり変わると教えてくれる。
この教えに従って、自分の身に起きたことに対する意見を変えてはどうだろう。
そうすると、腹立たしく思えていた人や状況が腹立たしくなくなり、場合によっては好意的に思えるようにもなる。
これは、相手や状況が変わったのではない。自分の見方が変わったのだ。
(本原稿は『STOIC 人生の教科書ストイシズム』からの抜粋です)