いまシリコンバレーをはじめ、世界で「ストイシズム」の教えが爆発的に広がっている。日本でも、ストイックな生き方が身につく『STOIC 人生の教科書ストイシズム』がついに刊行。佐藤優氏が「大きな理想を獲得するには禁欲が必要だ。この逆説の神髄をつかんだ者が勝利する」と絶賛する同書より、内容の一部を特別公開する。
今回紹介するのは、ローマ帝国の皇帝として地上最大の権力を持っていたにもかかわらず、驕ることなく哲学者として生きたマルクス・アウレリウスの名言だ。彼は子どもをなくし、蛮族の侵攻や軍の反乱の対処に追われ、疫病が蔓延する憂き目に遭いながらも、思いやりをもって他者を扱い、淡々と賢明な政策を打ち出すなど、内面の平静と自由を保ち続けた。そんなマルクス・アウレリウスの思考の原則がわかる言葉だ。
人間の不完全さを受け入れる
「では、恥知らずな人がこの世からいなくなることはあるか?」と。
そんなことはありえない。
ならば、ありえないことは求めるな。
──マルクス・アウレリウス『自省録』(第9巻42)
「他人はコントロールできない」が「自分の反応はコントロールできる」と思い出す
生きていれば、決して扱いやすくはない人や状況に対処しなければならないときはある。
ストイシズムではその場合、外側(相手)ではなく内側(自分の反応)に目を向ける。
マルクス・アウレリウスの言葉は、自分の反応は自分でコントロールできることを教えてくれる。
腹立たしいことに寛容になることも、自分でできる。
今後の自分の行動をコントロールするには、自分が何をきっかけにしてどのような反応をするかを理解することが重要になると覚えておこう。
(本原稿は『STOIC 人生の教科書ストイシズム』からの抜粋です)