自分の成果を「どう」見せるか?
まずは、自分が持っている球(タマ)を確認しましょう。球とは、会社によって呼び方は異なりますが、あなたが目標を達成するために必要な契約や売上、ネタ、パイプラインのことです。例えば、「既に契約が決まっているけど上司にはまだ報告していない球」や「限りなく契約に近い球」、逆に「非常に見込みが薄い球」などがあるはずです。
球の確認が終わったら、次に、見せ方をデザインしていきます。基本的には、会社で仕事ができる先輩や評価が高い先輩の見せ方を参考にするとよいでしょう。自分の持っている球を、どのタイミングで、どのようなスタンスで報告するのかを考えます。
その次はタイミングです。チームの目標が追い込まれている時なのかどうかによってあなたの報告する球の価値は変わりますので、効果的なタイミングを探ります。例えば、日次、週次、月次で報告をする場合に、今回報告すべきなのか、次回まで隠しておいたほうがいいのかを判断します。
「仕込み」の球は見せ方でガラッと変わる
最後にスタンスです。スタンスについては、簡単そうに見せるか、大変そうに見せるかを判断します。例えば、実際は簡単に獲れた球であっても「難易度の高い案件を苦労して獲った」と演出することで、上司や周りの人たちから「凄い案件を頑張って獲ってきた人」と評価されることが可能です。逆に実際はかなり大変だった球でも、あえて余裕を見せて報告することで上司から「ポテンシャルの高い人」として評価されることもできます。これは、テスト勉強をこっそりやって余裕そうに高得点を取る学生のようなイメージです。
このように自分の「仕込み」の球は、数字の見せ方を工夫するだけで他人からの見え方はガラッと変わります。これだけ聞くと「なんだ、上司の評判取りじゃないか」と思うかもしれませんが、この時、あなたの仕事量そのものは一切変わっていないことにお気づきでしょうか。「ちゃんと成果を出す準備をして、見せ方まで考えている」=「仕込み」をしているからこそ、こうやって見せ方をデザインすることで、評価上で損するのを避けられているのです。
自身をどう周りに見せたいのか、そのためにはどんなドラマが必要なのか、常に意識するようにしましょう。
(本記事は『雑用は上司の隣でやりなさい』の一部に、加筆・編集を加えた原稿です)