ビジネスパーソンや、これから起業しようと考えていたりする人にとって、もっとも大切にしたい「ものの考え方」とはなんでしょうか。藤井孝一さん監修の『誰もが知っている億万長者15人のまさかの決断』(青春出版社)から、世界的大企業の創業者となる人の思考力や発想力、リーダーシップ、日々の習慣など、ほかの人のとはどこが違っていたのか――レイ・A・クロックのエピソードを紹介します。
フランチャイズ料の問題が立ちはだかる
前回は、ミキサーを販売するセールスマンだったレイ・A・クロックが、マクドナルド兄弟のハンバーガー店と出会い、そこにビジネスチャンスを予見した発想力を紹介した。クロックはハンバーガーに将来性を感じ、即座に自らが兄弟の代理人となってフランチャイズを展開したいと申し出たのだ。
だが、マクドナルド兄弟の店を全国で展開するための交渉に入ったクロックはさっそく壁にぶつかった。兄弟が提示する契約条件は厳しく、なかでもフランチャイズ料の問題が大きな壁として立ちはだかったのだ。
当時、外食チェーンのフランチャイザー(フランチャイズチェーンの本部)の多くが加盟店に高額な加盟料を要求し、さらに備品なども市場価格よりも高い値段で売って利益を得ていた。
ところが兄弟は、フランチャイズ料を高く設定することを禁止したのである。