米大統領選の共和党候補ドナルド・トランプ前米大統領は1時間半以上話し続けた後、ようやく本題に入った。「この9年間、われわれは地球上で最も邪悪で腐敗した勢力と戦ってきた」。トランプ氏の言葉に、コミュニティーカレッジの広いアリーナで折りたたみ椅子に座った聴衆は、同意の言葉を漏らした。「この選挙で一票を投じることで、この国は彼らのものではなくあなたたちのものだということを、はっきり示すことができる」トランプ氏と民主党候補のカマラ・ハリス副大統領が分断された国民に最後の訴えを行う中、トランプ氏の本質的な主張は3回の大統領選を通じてほぼ変わっていない。つまり、政治は不正に操作され、外国の侵入者が国を脅かしている、というものだ。変わったのは周りの状況だ。トランプ氏が10年にわたって米国の政治に影響力を振るったことで、有権者がそれに応じて変化した。今や綱渡り状態の選挙は、核心的な問いに決着をつけようとしている。不満を抱えた国が、同氏の不安定なビジョンの続編を支持するのか、それとも拒否するのかという問いだ。
トランプ氏の陰鬱な主張、米国民が下す3度目の審判
トランプ陣営は「邪悪な勢力」から国を守ると再び訴え、民主党は有権者がこれにうんざりしていると考えている
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