人手不足から、ここ数年で初任給は上がってきているが、それ以上に制度変更されているのは、社宅提供や家賃補助の増額である。
日本には社宅家賃の設定にあるロジックがある。これは、議員社宅や公務員社宅、会社の社宅も同じロジックになっており、市場家賃の2割ほどになる。この社宅は会社の保有なので、規模が大きく業績の良い会社は人材確保のために所有しているケースが多い。
今どきなので、ご近所付き合いは最低限でもいいだろう。これで、10万円の家に2万円で住めるので、8万円可処分所得が増える。年間約100万円のキャッシュなので、若者には大きな差だ。
手狭でも会社の近くに住み
「時間を買う」ほうが将来得をする
これ以外にも、会社が家賃負担をしてくれるケースもある。「家賃の何割」とか「定額でいくら」とか会社規定で決まっている。転勤の有無などの職種にもよるが、単身の場合、2万~8万円ほどが補助されるケースが多い。
サイバーエージェントには「2駅ルール」という家賃補助制度がある。勤務しているオフィスの最寄り駅から各線2駅圏内に住んでいる正社員に対し、月3万円支払うというものだ。当初3年くらいは狭くていいから、会社の近くに住んで通勤時間を削り、学習する時間に充てた方がいいと私は考える。
職場にアクセスがいい場所に住む最たる理由は、時間を買うことだ。毎日の通勤時間が往復2時間なのか1時間なのかで、年間の通勤日数分である220時間ほどの時間差が生まれる。
そこで、自分の時給を換算してみよう。年収360万円なら、年間1800時間として、時給は2000円になる。2000円×220時間=44万円の付加価値を生産することができるはずだ。それを副業時間に充ててもいいが、本業で生産性を上げることの方が先決だと考えている。私の場合は、仕事の周辺の知識として会計・税制を学び、異業種交流会を主宰し、優秀な人に会う機会を増やすなどしていた。
家賃補助のような福利厚生が充実していない企業に勤めるならば、まずは賃貸の初期費用は極力下げて、出世移転を狙うことも検討しよう。その意味で、東京には初期費用3万円から始められるシェアハウスがある。