でも「え、なんで?」といきなり返されると、「休みたい」という気持ちが宙に浮いたまま、ボールが打ち返されてしまいます。コミュニケーションはラリーではなくキャッチボールのように、相手の感情を受け止めてから返す、ということをくり返さなければいけません。
キャッチボールがうまくいかない人は、相手が言った言葉をそのままくり返してみましょう。これは「くり返し」というカウンセリングの手法です。相手が言った単語またはフレーズの一部をくり返します。
相手が「昨日、部の会議だったんですが、意見がまったく通らなくて、落ち込んでしまいました」と言ったとします。「そんなの当たり前だよ。まだ君は新人なんだから」とすぐに打ち返してしまうのはキャッチボールではなく、ラリーです。
そうではなくて、いったん相手の言葉をくり返して「会議だったんだ」とか「落ち込んだんだね」と受け止めます。
その上で、「君はまだ新人だから、最初はなかなか意見が通らないかもしれないね」と言ってあげれば、相手は気持ちも聞いてもらえて、アドバイスも受け止めやすいでしょう。
ハラスメントに気をつけて!
キャッチボールは平らな場所で
キャッチボールは原則としては平らな場所で行うことです。
2階の人と3階の人がキャッチボールをしたら、2階の人はとてもたいへんです。3階にボールを投げ上げるには力とコントロールが必要です。3階から投げられたボールを取るのも難しいでしょう。