「会話はキャッチボール」とよく言われるが、相手の言葉をロクに受け止めずに即打ち返す「ラリー」になってしまっていないだろうか?部下に対するアドバイスがうまく伝わるコミュニケーションのコツや、電話でのやりとりに対する恐怖心との向き合い方を産業カウンセラーがズバリ教える。※本稿は、大野萌子『電話恐怖症』(朝日新聞出版)の一部を抜粋・編集したものです。
人とのコミュニケーションは
キャッチボールのようなもの
人とのコミュニケーションはキャッチボールにたとえられます。相手が受け取りやすいようにボールを投げる。相手が返してきたボールはきちんと受け止めて、また返す。このくり返しです。
「これはどうですか」とボールを投げると、「ああ、これについてですね。それはこういうことなんです」と投げ返し、それをまた「ああ、そうなんですね。ではこれはどうですか」と受け止めて投げ返す。
そのキャッチボールができることが、すべてのコミュニケーションがうまくいく基本です。
これがキャッチボールではなく、即打ち返すラリーになるとコミュニケーションはうまくいきません。
「これはこうですね」と相手が言ってきたことに対して、「それはですね」と即打ち返して、いきなり自分の話を始めてしまうのがラリーです。
相手には「話を聞いてもらえなかった」とか「そうじゃないのに」と思わせてしまうことになり、感情が宙に浮いてしまいます。
会話でラリーをする前に
相手の言葉をキャッチしよう
たとえば「この日お休みしたいのですが」と言ったときに、「この日、休み希望なのね」と一度言葉をキャッチしてもらえれば、「休みたい」という気持ちを受け止めてもらったと感じられます。