組織は上下関係があるので、こうした力関係を理解せずに、上の者が下の者にボールを投げると、うまくキャッチができません。上の階の人が「そんなボールを投げてどうするんだ!」とか「なぜ、これが受け取れないんだ」と怒ったら、それはハラスメントにもなります。

 平らな場所でキャッチボールをするように、上司は部下が受け取りやすい、優しい言い回しが必要です。

電話トークが難しいのは当たり前
自分の恐怖心を否定しなくていい

 電話に対してどうしても恐怖心をぬぐえない場合、どうしたらいいかについてふれておきます。

 電話がかかってくるとこわいとか、電話で話すのがいやだという感情を否定すると、逆にその感情が高まってしまうことがよくあります。

 自然にわき上がってきた恐怖や嫌悪感を、「こんなことを考えてはいけない」とか、「こんな私じゃダメだ」と抑圧すると、その感情があることを自分で認識できなくなり、自分自身の気持ちが正確につかめなくなってきます。

 だから感情にふたをしないで、自分自身に向き合う必要があります。

 恐怖を抑圧すると起こるもうひとつの可能性は、抑圧した感情そのものが強化されるということです。

「こんなことを考えてはいけない」「こわいと思ってはいけない」と思っていると、無意識下でその感情に執着してしまうので、感情が強化され、そこから抜け出せなくなってしまうのです。