相手が電話口に出てもあわてないよう、緊張する人は、話す内容をあらかじめメモしておくことをおすすめします。ただし長々と書いてしまうと、電話しているとき読めないので、要点やキーワードだけにしたほうがいいでしょう。メモがあれば、言い忘れも防げます。

 また電話をする環境も大事です。慣れてくれば、どんな場所でも電話に集中できますが、慣れていないうちは、周りの目も気になるもの。人に聞かれたくないときは、場所を移すのがいいでしょう。自分が落ち着く場所や個室からかけてください。

 落ち着かない場所にいて、向こうからかかってきたときは、かけ直していいと思います。「すみません。かけ直します」でもいいですし、「5分後にかけ直してください」でもかまいません。

書影『電話恐怖症』『電話恐怖症』(朝日新聞出版)
大野萌子 著

 自分が話している内容を人に聞かれるのがこわいという人たちもいますが、電話に慣れるまでは、どんどん自分が話しやすい環境を見つけてください。

 電話をかけたとき、緊張して冒頭のひと言につまる人もいます。

 そういうときは、冒頭のひと言だけ目の前に貼っておいてもいいでしょう。私は電話相談の業務の際に第一声で迷わないよう、この番号でかかってきたらこう言う、○○を確認する、など必要となることを、全部付箋に書いて貼っていました。

 最初はこの台詞で出る、ということを確認できると、パニックにならずにすみ、安心できます。