上司は本当はどう思っているのか?

 多くの上司はこういうとき「ただの愚痴じゃなくて解決策の提案があったら動けるのに」と思っている。

 仕事の相談は相手に動いてもらうためのきっかけづくり。

 困ったときは愚痴よりも「どうすればその問題を解決できるか」を考えたい。

弱みを見せても得はない

「困った、困った」と言っても解決には向かわないし、自分を評価する立場の人に「困りごとに困る自分」への共感を求めても、弱みを見せるだけだから意味がない。

愚痴への共感がほしいときは?

 どうしても不満や愚痴を言うことでストレス解消をしたいなら、自分と同じくらいの年次か、自分より下の人と話すに止めるのがいいと思う。

 ただそうだとしても、問題解決に向かわない「悩み相談という名のただの愚痴」は、お互いにとって時間のムダだし、「○○さんはすぐに愚痴をこぼす」という評判も自分にとってはマイナスになる上に、ギスギスした雰囲気をより悪くする可能性もある。

 だから相談のゴールはやっぱり、愚痴への共感より問題解決にしたほうが絶対いい。

上司はどうするのが正解か?

 一方、上司はどうするべきか?

 上司は案外忙しい。

 でも最近は、メンバーの愚痴に付き合って「そうだね、そうだね」と傾聴する上司もいると思う。

 でもそういうときも頃合いを見計らって「で、○○さんはどうしたいの?」と聞いてみたい。

 ポイントは「わかった。つまりこうしてほしいんだね」と上司が整理するのではなく、メンバー自身にモヤモヤを言語化させて、なにをさせたいのかを明確にさせること。

 言語化されれば先輩として具体的な手助けの方法も提案できる。

 だから上司は傾聴しつつ、愚痴の中にある部下の「どうしたい」を探っていくのがいいと思う。

(本稿は佐久間宣行、『その悩み、佐久間さんに聞いてみよう』からの抜粋記事です。)