小学6年生にとってはいよいよ入試に向けての仕上げの時期にはいってきました。どのようにして最終的な志望校を確定するのか、過去問はどのように進めればよいのか? 塾がお膳立てしてくれる最難関校はともかく、それ以外の学校を志望している子の親御さんは意外に情報がないといいます。子どもを本当に伸ばしてくれる志望校の見極め方や選び方、その志望校に合格するための効果的な「過去問対策」をやり方を、大人気プロ家庭教師の安浪京子先生が詳細に説明した『中学受験 大逆転の志望校選びと過去問対策 令和最新版』から抜粋して、そのノウハウの一部をご紹介します。

【中学受験のカリスマ家庭教師が教える】「公立中高一貫校」は塾に行かなくても受かるのか?Photo: Adobe Stock

公立中高一貫校向きの子は?

昨今、全国的に公立中高一貫校の数が急増しており、気になっている方も多いのではないでしょうか。公立中高一貫校のみを受験してご縁がなければ地元の公立へ、あるいは私立中学と併願など、関わり方も様々です。

公立中高一貫校にも、私立中高一貫校同様に「校風」があります。どちらも見学に行った生徒に聞くと、公立は「いわゆる“学校”っぽい」「派手じゃなくて落ち着く」、私立は「オシャレな雰囲気」「設備が整っている」とのこと。公立小学校や都立高、県立高の雰囲気が好きな子は公立中高一貫校に惹かれるようです。

かつてと今では、受験する子が変わってきた

公立中高一貫校が私立中高一貫校と大きく違う点は3つあります。

①入試内容が異なる
私立は「算数・国語・理科・社会」と科目ごとに試験が分かれています。一方、公立中高一貫校は「報告書」「適性検査」「作文」(「面接」)により総合的に合否を判断します。
適性検査はI、IIのみ、あるいはIIIまである学校もあり、多くは教科横断型です。自治体の「共同作成問題」と、学校ごとに作成する「独自問題」があります。

②報告書(調査書)が一定の割合を占める
私立でも調査書の提出を求める学校はありますが、合格最低点を上回っていれば基本的には調査書を理由に不合格になることはありません。一方、例えば東京都の公立中高一貫校は、報告書が2~3割、適性検査が7~8割です(比率は学校により異なります)。

③中学の間は授業料が無料
学費の平均は、東京都の私立中高一貫校は6年間で約489万円、公立中高一貫校は約187万円(ベネッセ教育情報2021年より)。私立高の授業料無償の自治体もありますが、私立は施設費、寄付などの費用もかかり、部活にかかる費用も随分異なります。

かつての公立中高一貫校は、学校の勉強ができて作文が得意なら進学塾に行かなくても合格できる子が多数いましたが、今は中学受験の過熱化により、やはり多くの子が塾通いをしています。中でも、人気の高い公立中高一貫校は、大手進学塾でバリバリ勉強をしている子たちが多く合格するようになってきています。

*本記事は、『中学受験 大逆転の志望校選びと過去問対策 令和最新版』(安浪京子著・ダイヤモンド社刊)から抜粋・編集して作成したものです。