「自力整体」とは、整体プロの技法を自分におこなう人気メソッドです。現在1万5000人が実践中。「久しぶりにぐっすり眠れた!」「10年間苦しんできた慢性痛から解放された!」「健康的にダイエットできた!」と絶賛の声が続々。「3分以内でできる悩み解決ワーク」を集めた著書『すぐできる自力整体』も好評。著者の矢上真理恵さんは、「不調のほとんどは自力整体で解消できる」と語ります。今回は『すぐできる自力整体』から熟睡に役立つ自力整体をお届けします。
監修:矢上 裕 矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
(写真/榊智朗 構成/依田則子)
首まわりをほぐして朝まで熟睡
本格的に冷え込む季節。寒さで何度も目覚めてしまう人は多いのではないでしょうか。
私はこの時期「寒くて寝つけない」「夜中目覚めてしまう」という生徒さんには、「就寝前、自力整体で首まわりもほぐすといいですよ」とお伝えしています。寒い季節はとくに体が縮こまって首まわりの血流が悪くなるからです。
首は多くの経絡(けいらく)の通り道。「気・血・水」が詰まりやすい場所でもあります。鍼灸の治療でよく使われるこの「経絡」とは体中をめぐる川の流れのようなもの。首の詰まりは、この川の流れが滞っている状態。血液の循環は悪くなり全身に影響。冷えを呼び、快眠を妨げます。
とくに長時間のデスクワークによる猫背、スマホの見すぎによるストレートネックは、慢性的に首のうしろ側の筋肉が緊張して血行不良の状態。冷え性で眠りが浅く、今なんらかのコリや痛みを抱えていないでしょうか。
寝る前に首の筋肉の緊張をほぐし、血流を促す習慣が快眠への近道です。
今回は手軽にできる「首のばし&風池(ふうち)のツボ押し」のワークを紹介しましょう。じんわりほぐれて体はポカポカに。ぐっすり熟睡できます。さらに「風池」と呼ばれるツボの刺激が首コリ・肩コリ・目の疲れを和らげます。
ワークは次のとおりです。
◎寝る前におすすめ「首のばし&風池のツボ押し」のワーク
【手順1】
◆あおむけになり、ひざを立て、足を少し開く
◆手指をからめて、親指の腹で頭の後ろの「風池(ふうち)のツボ」(※画像参照:髪の生え際にあるくぼみ。循環を促すツボ)をやさしく指圧
◆数秒ツボのほぐれを感じる
※風池のツボにこだわらず、こっている場所に親指をあててもOK
※風池のツボ押しは、とくに肩コリ・首コリ・目の疲れ、視力回復に役立ちます
【手順2】
◆そのまま腰をゆっくり持ち上げ、風池のツボに体重をかける
◆数回カウントする(回数はご自身のペースで)
※このとき、肩と首はリラックスしましょう
※この刺激が、肩や首のコリをほぐしていきます
【手順3】
◆ゆっくり腰をおろして深呼吸
※時間に余裕のある時は、書籍『すぐできる自力整体』で紹介している「驚くほどほぐれる4つのコース」(QRコードからスマホで視聴できる動画つき)も不眠解消に役立ちます。
※『すぐできる自力整体』では、この他にも、整体プロの技法を使って、コリや痛み、ゆがみを解消するワークを多数掲載しています(★35分の動画も収録)。
矢上予防医学研究所ディレクター
1984年、兵庫県生まれ。高校卒業後単身渡米、芸術大学プラット・インスティテュートで衣装デザインを学び、ニューヨークにて独立。成功を夢見みて、徹夜は当たり前、寝るのはソファの上といった多忙な生活を続けた結果、心身のバランスをくずし動けなくなる。そのとき、父・矢上裕が考案し約1万5000名が実践している「自力整体」を本格的に学び、心身の健康を取り戻し、その魅力を再発見。その後、自力整体ナビゲーターとして、カナダ、ヨーロッパ各地、イスラエルにて、クラスとワークショップを開催。さらに英国の名門セントラル・セント・マーチンズ大学院で「身体」をより体系的に学び、2019年に帰国。現在、国内外の人たちに自力整体を伝えながら、女性のための予防医学をライフワークにしている。著書に、『すごい自力整体』(ダイヤモンド社)がある。
監修者:矢上 裕(やがみ・ゆう)写真右
矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
1953年、鹿児島県生まれ。関西学院大学在学中の2年生のとき、予防医学の重要性に目覚め、東洋医学を学ぶため大学を中退。鍼灸師・整体治療家として活躍するかたわら、効果の高い施術を自分でできるように研究・改良を重ね「自力整体」を完成。兵庫県西宮市で教室を開講、書籍の出版やメディア出演などで注目され、全国から不調を抱える人々が続々と訪れるようになる。現在約500名の指導者のもと、約1万5000名が学んでいる。著書に『自力整体の真髄』『はじめての自力整体』(ともに新星出版社)など多数。遠隔地の人のために、オンライン授業と通信教育もおこなう。 写真/榊智朗