「自力整体」とは、整体プロの技法を自分におこなう人気メソッドです。現在1万5000人が実践中。「久しぶりにぐっすり眠れた!」「10年間苦しんできた慢性痛から解放された!」「健康的にダイエットできた!」と絶賛の声が続々。「3分以内でできる悩み解決ワーク」を集めた著書『すぐできる自力整体』も好評。著者の矢上真理恵さんは、「不調のほとんどは自力整体で解消できる」と語ります。今回は『すぐできる自力整体』から冷え・不眠を解消する自力整体をお届けします。
監修:矢上 裕 矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
(写真/榊智朗 構成/依田則子)
眠りが浅い、夜中目覚めてしまう人の特徴
気温が急激に下がり、体調を崩しやすい季節。夜布団に入っても足先がカチカチに冷えて寝つけず、さらに夜中に何度も目覚めてしまうという方は多いのではないでしょうか。
冷え・睡眠不足は血行不良・免疫力低下を招き、様々な病や不調の原因に。
対処法として、就寝中に温かい靴下を履いて足元から温めたり、湯たんぽをセットする方法も有効ですが、根本解決には至らないかもしれません。
東洋医学の視点でみると、冷え性で眠りが浅い方の特徴は次の2つです。
1.日中の活動量が少ない(家やオフィスで座りっぱなし)
2.筋肉がこわばったまま布団に入る(血行不良)
夜中に何度も目が覚めてしまうのは、日中の活動量不足や、筋肉のこわばりによる血行不良です。
そこで冷え解消や熟睡におすすめなのは次の2つ習慣です。
1.日中はよく動く(活動量を増やす)
2.寝る前に自力整体で筋肉の緊張をほぐす(とくに下半身)
この2つを意識してとりいれた自力整体の多くの生徒さんが、体温アップと熟睡を実感されています。詳しくみていきましょう。
1.日中はよく動く(活動量を増やす)
30分に一度は歩き、よく動く。心地よい疲労感が快眠への近道です。「ふくらはぎ」を使う運動もおすすめです。家で手軽にできるのは、かかとの上げ下げ、床のふきそうじ、窓ふきなど。体温を上げるには、筋肉を活発にはたらかせることがポイントです。
2.寝る前に自力整体で筋肉の緊張をほぐす(とくに下半身)
ふくらはぎを中心に筋肉の緊張をほぐしていくと効果的に血流アップ。体はポカポカになって、朝まで熟睡できるはず。ふくらはぎは体全体に血液をおくるポンプです。できれば下半身を中心に20分ほど週2,3回のペースでおこなうと、体のゆがみもとれて慢性痛の改善にも役立ちます。
手軽にできるのは、自力整体の「腰ほぐし」のワーク。寝る前、布団の上でおこなえば、関節や筋肉の緊張がほぐれて、末端まで血液がめぐり、ポカポカに。
ワークは次ページのとおりです。
矢上予防医学研究所ディレクター
1984年、兵庫県生まれ。高校卒業後単身渡米、芸術大学プラット・インスティテュートで衣装デザインを学び、ニューヨークにて独立。成功を夢見みて、徹夜は当たり前、寝るのはソファの上といった多忙な生活を続けた結果、心身のバランスをくずし動けなくなる。そのとき、父・矢上裕が考案し約1万5000名が実践している「自力整体」を本格的に学び、心身の健康を取り戻し、その魅力を再発見。その後、自力整体ナビゲーターとして、カナダ、ヨーロッパ各地、イスラエルにて、クラスとワークショップを開催。さらに英国の名門セントラル・セント・マーチンズ大学院で「身体」をより体系的に学び、2019年に帰国。現在、国内外の人たちに自力整体を伝えながら、女性のための予防医学をライフワークにしている。著書に、『すごい自力整体』(ダイヤモンド社)がある。
監修者:矢上 裕(やがみ・ゆう)写真右
矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
1953年、鹿児島県生まれ。関西学院大学在学中の2年生のとき、予防医学の重要性に目覚め、東洋医学を学ぶため大学を中退。鍼灸師・整体治療家として活躍するかたわら、効果の高い施術を自分でできるように研究・改良を重ね「自力整体」を完成。兵庫県西宮市で教室を開講、書籍の出版やメディア出演などで注目され、全国から不調を抱える人々が続々と訪れるようになる。現在約500名の指導者のもと、約1万5000名が学んでいる。著書に『自力整体の真髄』『はじめての自力整体』(ともに新星出版社)など多数。遠隔地の人のために、オンライン授業と通信教育もおこなう。 写真/榊智朗