小学6年生にとってはいよいよ入試に向けての仕上げの時期にはいってきました。どのようにして最終的な志望校を確定するのか、過去問はどのように進めればよいのか? 塾がお膳立てしてくれる最難関校はともかく、それ以外の学校を志望している子の親御さんは意外に情報がないといいます。子どもを本当に伸ばしてくれる志望校の見極め方や選び方、その志望校に合格するための効果的な「過去問対策」をやり方を、大人気プロ家庭教師の安浪京子先生が詳細に説明した『中学受験 大逆転の志望校選びと過去問対策 令和最新版』から抜粋して、そのノウハウの一部をご紹介します。
冬休みが始まるまでは、まとまった時間は取りにくい
過去問を解くのは、思ったより時間がかかります。4科目をまとめて解くと3~4時間はかかりますし、それ以上に大変なのが「解き直し」。
行き当たりばったりに進めると、必ず積み残しが出ますので、「いつ/どの学校の/どの科目」を解くかを記入した「過去問カレンダー」を作るのをおすすめしています。
入試本番は、3科目あるいは4科目を通して解くわけですが、6年秋はまだ、過去問を通しで解ける状態ではありません。というのも、科目によって仕上がりが異なるからです。
ですから、直前までとっておく1年分をのぞいて、国語、社会は新しいものから、算数、理科は対策のできた年から解いていきます。
6年秋から冬休みが始まるまでは、小学校も塾もあり、過去問の時間がなかなか捻出できません。「塾のない月曜日は、夜に国語1回分」「午後から特訓授業のある日曜午前は、疲れ過ぎないように算数と理科の2科目」のように、細切れに組み込むと進めやすくなります。
もちろん入試は合計点。科目間の気持ちの切り替えも、過去問を通して身につけていく必要があります。6年冬には、全科目を通して解く日も作っていきます。
それでもやはり過去問は積み残るもの。
Y君は、冬期講習明けに第一、二、三志望の過去問が、まだ数回ずつ残っていました。しかし、土日は午後から塾があるため、平日にも組み込まねばなりません。そこで、土日の午前は4科通しで、平日は学校を遅刻・あるいは早退して2科目ずつ進めていきました。
さて、過去問カレンダーを作る際に最も注意すべきは「詰め込み過ぎないこと」。塾から帰ってきてから1科目くらいできるでしょ、と親は思いがちですが、疲れている時に過去問を解いても百害あって一利なし。取れるはずの問題をボロボロ落とし、本人も親御さんも打ちひしがれるだけです。
たとえ過去問カレンダーを作っても、もしお子さんが疲れ果てているならば、その時間は休息にあて、別の日にやりましょう。
*本記事は、『中学受験 大逆転の志望校選びと過去問対策 令和最新版』(安浪京子著・ダイヤモンド社刊)から抜粋・編集して作成したものです。