ミッキーとミニーPhoto:JIJI

「夢の国」には「光」もあれば「闇」もある――。東京ディズニーリゾートの運営企業、オリエンタルランドの直近決算を前後編に分けて徹底解説する。後編は「光」にフォーカスし、3000億円超の一大投資で挑む新エリアとクルーズ事業がもたらす利益について検証する。株価の動きと大株主の動向も踏まえた、中長期的な成長とは?(公認会計士 白井敬祐)

東京ディズニーリゾートが迎える試練と希望
シーの新エリアがもたらす利益とは

 本稿の前編では、オリエンタルランドの2025年3月期第2四半期の決算内容に基づき、東京ディズニーリゾートを取り巻く厳しい現実について掘り下げました。

 しかし、この物語には続きがあります。新たな試練の中で、同社はどんな未来を描こうとしているのでしょうか?

 ディズニーファンの期待に応え続けるための施策や、成長戦略には希望が溢れています。後編では、夢の国が未来を切り拓くためのポジティブな側面と展望に焦点を当て、次なる成長の鍵を探ります。

 東京ディズニーシーに6月開業した新エリア「ファンタジースプリングス」は、まさに「夢の国」を支える新たな柱です。「アナと雪の女王」や「ラプンツェル」「ピーターパン」といった人気キャラクターたちが生き生きと息づく空間が、多くの来園者に感動を提供しています。同時開業したファンタジースプリングスホテルも、映画の世界観を存分に味わえる特別な宿泊施設として人気を博しています。

 実は筆者も9月に同エリアを訪れたのですが、控えめに言っても「最高の体験」でした。特に、アナと雪の女王のアトラクションでは映画さながらの物語が展開し、思わず感動する場面も(筆者は4回乗りました)。

 また、ファンタジースプリングスホテルに宿泊したのですが、ホテルの色鮮やかで可愛らしい内装や、宿泊者を夢の世界に浸らせ続けてくれる工夫が随所に施されていました。

次ページでは、実際に筆者がファンタジースプリングスホテルで宿泊した際の写真をご紹介します。そして、この新エリアがオリエンタルランドにどの程度の利益をもたらすのか。徹底検証し、試算しました。さらに、28年就航予定のクルーズ事業も含めて、同社の中長期的な成長性を解説します。