銀行振り込みのみ、名義が個人名~偽ECサイトの見分け方
なお、偽ECサイトの代金支払いは「銀行振込のみ」となっていることが多い。また、その振込先名義が「個人名」である点も特徴だ。サイトにはクレジットカードのマークが表示されている場合でも、いざ購入手続きを進めると「現在、クレジットカード対応不可」などと案内がされ、銀行振込に誘導されるのが常套手段だ。
しかし、銀行振込で代金を支払っても、商品は届かない。これが偽ECサイトの基本的な手口である。
また、偽サイトの多くは、日本語が不自然だったり、商品画像や説明文をラクマやメルカリといったサイトからコピーしているため、商品の掲載が雑で、統一感に欠けていたりする。こうした点も、偽ECサイトを見分けるための一つの指標になるだろう。
代金持ち逃げだけならまだマシ。さらに「返金詐欺」も
振り込んだ後に商品が届かないだけで済めば、まだ「マシ」な方である。悪質な偽ECサイトの運営者は、購入者の不安に付け込み、「返金手続き」と称してさらに金を騙し取る、返金詐欺を行うことがある。
返金詐欺の手口は、以下の通りだ。
2. QRコードでLINEの「友だち追加」操作が行われ、カスタマーサポートを名乗る人物と連絡が取れる。
3. サポート担当者は「税関の問題で銀行での返金はできないため、PayPayで返金する」と案内し、購入者のPayPayアカウント名や電話番号を要求してくる。
4. その後、「アカウント制限で送金できない」として別の担当者とやり取りするよう求め、最終的にはLINE通話で具体的な操作指示をしてくる。購入者が指示通りに操作を進めると、気づかぬうちに自分のPayPay残高から相手に送金してしまう。
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詐欺師は「欠品のため返金する」として被害者にPayPayでの返金操作を促し、実際には送金操作を行わせることでさらなる金銭被害を与えるのである。「エラーが発生した」などと言って何度も送金操作をさせ、被害金額が増えるよう仕向けることもある。
消費生活センターに聞いたところによれば、PayPayだけでなく、クレジットカード情報を返金理由で聞き出そうとする手口も確認されている。当然、これに応じると、クレカでの追加の不正利用につながる危険にもつながる。
最初にお金をだまし取られるだけでなく、二重、三重に被害を受けることになるので、くれぐれも気をつけてほしい。