点数の悪いテストの結果を報告しようとする男の子写真はイメージです Photo:PIXTA

中学受験のプロである安田理さんに中学受験の新常識を教えてもらう連載。第7回は「子が幸せになる学校の選び方」。せっかく第一志望の中高一貫校に無事合格したとしても、6年間の学校生活が苦しいものになっては努力は水の泡だ。「最難関・開成中学で挫折し、公立中学への転校を余儀なくされた事例」や「偏差値50と45の学校に合格した場合どちらに行くべきか」を安田さんと考える。本当に子どものためになる中学校の選び方を聞いた。(聞き手・構成/教育アドバイザー 鳥居りんこ)

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開成に入った神童が
地元公立校に転校したワケ

――結局、中学受験は子どもを幸せにするものですか?

 それこそ個人差でしょうね。人によっては幸せになる子もいれば、ずっと引きずってしまい自分に自信が持てなくなる子もいます。でも、後者はどちらかと言えば少数派です。

――私の元に届く親御さんからのご報告だと「中学受験が大成功」というよりは「受験失敗」とか「合格した後の学校生活に苦戦中」という方が圧倒的に多いんです。中学受験の奥深さというか、底知れぬ闇のようなものも感じます。第1志望に進学できたからといって必ずしも幸福になるとは限らないようです。「第1志望に合格したけど幸せにならない子」と「第1志望に落ちたけど幸せになる子」がいるとすれば、その分かれ目はどこにあるとお考えですか?

 入学後のケースでよく聞くのが、御三家とか筑駒みたいな最難関校にギリギリで入るケースです。やっぱり、勉強しなくてもできる子はいるんですよ。いわゆる神童みたいな子が集まる学校はあります。

 そういう学校に行って、小学校時代は自他ともに認める秀才であった子どもが打ちのめされるというケースはあります。