中学受験で第一志望校に無事入学できたとして、成績が低迷して「落ちこぼれ」になってしまったのでは元も子もない。長年にわたって中学受験に携わってきた安田理さんに「落ちこぼれが出やすい中高一貫校」を学校説明会で見抜く方法を聞いた。さらに「落ちこぼれが出にくい」中高一貫校の実名を挙げてもらった。(取材・構成/教育アドバイザー 鳥居りんこ)
「校長の話」でわかる
ダメな学校の共通点
――中学受験の保護者は数多くの学校説明会に参加することになります。しかし、たくさん見ることで、進学先への迷いを深めてしまう親御さんもいます。訪問する前に家族でやっておくべきことはありますか。
まずはご両親で次の3つのことを話し合ってほしいですね。
1つは「人生において大切なことは何か」、2つ目は「わが子にどう生きてほしいのか」、そして最後に「わが子は何をしているときに生き生きとしているか」です。
これによって、家庭の教育方針が定まるので、説明会に参加した学校との相性が浮き彫りになります。
――3点で両親のコンセンサスが取れたとして、説明会での見るべきポイントを教えてください。まず、安田さんから「こういう学校はやめておいたほうがいい」というアドバイスをいただけますか。
校長が「ウチはこんなに大学進学実績が伸びてますよ」とか「偏差値が上がってますよ」と言う学校ですね。
そういう数字ばかりを声高に言う学校は避けたほうがいいと思います。さらに、校長の話の中に生徒が全然出てこない学校も疑問符です。
逆に、生徒をよく見ていたり、生徒と直に触れ合っていたりすることが感じられる学校なら、子どもを通わせても満足できる可能性が高いです。何といっても校長の話が学校の基本的スタンスを感じられる機会ですから、しっかりと聞いてきてほしいですね。
――確かに、会社か!?と思うほど、数字を強調する学校はありますね。そういう学校とは対極をなす学校があれば教えてください。