学習塾で三者面談をするイメージ画像写真はイメージです Photo:PIXTA

お正月明けに覚醒した6年生の親がしていたこととは――。中学受験塾の王者・SAPIXは「最後まで伸び続ける子」の特徴をしっかり見抜いていた。SAPIXの広野雅明先生に「中学受験の素朴な疑問」をぶつける連載。第9回(全12回)は「中学受験直前で『失速する子』と『最後まで伸びる子』の違い」を取り上げる。(聞き手・文/教育アドバイザー 鳥居りんこ)

「効率のいい勉強法」で
むしろ伸び悩む?

――「中学受験に成功した」あるいは「失敗した」という言い方を聞くことがありますが、仮に「失敗」があるとすれば、それは何が原因でしょうか。

 中学受験で成功する・失敗するという分け方をしてしまうのは、保護者の場合が多いです。

 受験直後は別として、お子様は「住めば都」、入学前は第2志望以下の学校であっても楽しんで通っている場合が多いです。私は、ある方の言ったこの言葉が好きです。「中学受験は失敗のない受験です。高校受験や大学受験では進学先が確保できない可能性がありますが、中学校は公立の中学校がある。そして高校受験で再チャレンジすることができる」。

 ご縁のあった学校がお子様にとっては第1志望校です。そう思わないと一生懸命に頑張ったお子様がかわいそうです。保護者がご縁のあった学校のよいところを見つけることができれば失敗はないと思いますが、得てしてマイナス面だけを見てしまうと「失敗」と感じてしまうと思います。

――保護者の成熟度が問われますね。ネットの評判を気にして右往左往されている保護者の方もいます。

 今は何かというとネットで検索をかける人が多いですよね。それで気持ちが落ち着くこともあるので否定はしませんが、受験情報をネットから拾い続けると怪情報に出合うこともあります。ネット上に書かれている情報には、あくまでモノ言う少数派が書いたものも少なくない。実際の受験情報や多数派の保護者の意見とは一致していないこともあるのです。

 現在お通いの学校や学習塾に不平不満があるから何かネガティブなことを書くことが多く、そうではない人は何も書かないことが多いからです。