「ストレス食い」の悪影響
ココアで軽減の可能性
ストレスから、ついクッキーやポテトチップス、アイスクリームなどの脂肪分の多い食べ物に手が伸びてしまう人は、ココアを飲むことで健康を守ることができるかもしれない。
新たな研究で、脂肪分の多い食事を取るときに、フラバノールが豊富に含まれているココアを一緒に飲むことで、脂肪が身体に与える影響、とりわけ血管に与える影響の一部を打ち消すことができる可能性が示されたという。英バーミンガム大学のRosalind Baynham氏らによるこの研究の詳細は、「Food & Function」11月18日号に掲載された。
Baynham氏は「フラバノールは、ベリー類や未加工のココア、さまざまな果物や野菜、お茶、ナッツ類に含まれている化合物の一種だ。フラバノールは健康に有益で、特に血圧を調節して心血管の健康を守ることが知られている」と説明している。
フラバノールは、フラボノイド系化合物に分類されるポリフェノールの一種。緑茶の成分として知られるカテキン、エピカテキン、エピガロカテキンなどが、代表的なフラバノールに含まれる。
Baynham氏らは今回の研究で、18〜45歳の健康な成人23人(平均年齢21.57±4.11歳、男性11人、女性12人)に、バタークロワッサン2個(1個67g)、チェダーチーズ1切れ半(37.5g)、牛乳250mLの朝食を取ってもらった。
さらに、この朝食に加えてフラバノール含有量の多いココア(1サービングあたりエピカテキン150mg、総フラバノール695mg)を飲む群と、フラバノール含有量が少ないココア(1サービングあたりエピカテキン6.0mg未満、総フラバノール5.6mg)を飲む群のいずれかにランダムに割り付けた。
その後、参加者にストレスのかかる数学のテストを課し、血管機能と心臓の活動のモニタリングを行った。Baynham氏は「このストレステストは、日常生活で遭遇するストレスと同様、心拍数と血圧の有意な上昇を誘発したことが確認された」とバーミンガム大学のニュースリリースの中で述べている。