いつものコースのように行き慣れているであろう行動から、不倫の事実は明白でした。その後に3回調査しましたが、すぐに帰宅した1回を除いて、2回とも全く同じ行動でした。
調査結果をまとめた報告書に目を通した礼司さんは、「信じられない」とつぶやいて、がっくりと肩を落としていました。
その後、明世さんに真相を問い詰めたそうです。初めは否定していた明世さんも、動かぬ証拠となる報告書を見せられると観念し、泣きながら不倫に至るまでの経緯を語り始めたそうです。
不倫相手は、いつもたばこ臭く、院内では「パワハラがひどい」と非常に評判が悪いと言っていた上司の男性だったのです。
最初は仕事の悩みを相談したのがきっかけだったと言います。職場でミスが続き、自信を失っていた明世さんの話を上司が親身に聞いてくれたことが、当時はとても救いに感じられたそうです。その後、「たまには肩の力を抜いて食事でもしよう」と何度か誘われ、断る理由が見つからず、つい応じてしまったそうです。
しかし、食事を重ねるうちに上司の誘いは次第にエスカレート。「断ったら仕事に影響が出るのでは」と思うと怖くて拒否できず、ズルズルと関係を持つようになってしまったと涙ながらに話しました。
男性上司のことを悪く言っていたのは、不倫関係を隠すためのカモフラージュだったようです。
被害者を装う妻に
夫が選んだ道
明世さんは上司のせいにしていましたが、その場しのぎの言い訳にしか聞こえず、反省も子どもに対する謝罪や後悔の気持ちも、ただ言葉をつないでいるだけだったそうです。
礼司さんは、関係修復を必死に訴えるわけでもなく被害者を装う明世さんとは、子育ても婚姻関係も続けられないと心底思いました。
明世さんは不貞と家事・育児放棄を認めたため、礼司さんが子どもの親権を持つことで離婚し、男性上司には慰謝料を請求したそうです。
不倫は、日常のちょっとした隙間から発生します。職場や飲み会、SNSといった何げない場面がきっかけになり得るため、パートナーの様子に違和感を覚えたら、なるべく早く私たち探偵に相談してください。
「年々増加する不倫の証拠を撮り続ける探偵」。点と点が線になる探偵トークでした。
※本稿は実際の事例に基づいて構成していますが、プライバシー保護のため個人名は全て仮名とし、一部を脚色しています。