10年連続で算数オリンピック入賞者を輩出している彦根市発の知る人ぞ知る塾「りんご塾」。天才を生み出すそのユニークな教育メソッドを、塾長の田邉亨氏が初公開した書籍『10年連続、算数オリンピック入賞者を出した塾長が教える 「算数力」は小3までに育てなさい』(ダイヤモンド社刊)が、このたび発売になった。本書を抜粋しながら、家庭でも取り入れられるそのノウハウを紹介する。

【算数オリンピック入賞者輩出の塾長が語る】子どもをやる気にさせる「ほめ方」にはポイントがある!Photo: Adobe Stock

声かけの瞬発力を鍛えるには?

子どもを瞬時に適切に褒める。

これをするためには、親自身の瞬発力を高めていく必要があります。

声かけにおける瞬発力というのは、「相手が褒めてほしいと思っていることを瞬時に見つける」と同義です。

その子が、本当はここを指摘してほしい、褒めてほしいと思っているところを探すということ。「点数はそれほどよくないけど、文章問題は全部解けた」「前は間違えたところを、今度は全部できた」など、子ども自身が密かに自慢に思っているところを褒めてあげる。あるいは、本人も気付いてない良い部分を見つけて指摘してあげる。そうすると子どもは自信がつきます。

そうやって自信を蓄積させていくことは、子どもの能力を引き伸ばすために欠かせません。

日常生活のあらゆる場面で声かけの練習を

私は、自分の瞬発力を高めるために、日課にしていることがあります。

それは、コンビニの店員さんや、お迎えに来たお母さんなどを2秒で笑顔にするということ。かれこれ15年以上、修業と位置づけて実践しています。

例えば、コンビニの男性店員さんで、年は40~50歳。ちょっと太り気味。一見、覇気がなさそうなんだけど、「こちらのレジへどうぞ!」と、すごく通る声で案内してくれたとします。そんなときは、「いい声ですね~」と声をかけたりします。

するとたいてい、「ありがとうございます」という感じで笑顔を見せてくれます。

髪を切ったお母さんには、「髪、切りました? お似合いですね」と必ず声をかけます。近年は、ハラスメントの基準が厳しいので、文脈によっては微妙になりますが、変化に気付けるように努めています。

このように、日常生活の中で、相手の突出している部分を見抜いたり、変化に気付いたりして、声かけをする練習を積んでおくと、子どもに声かけをする際にも大いに役立ちます。

*本記事は、『10年連続、算数オリンピック入賞者を出した塾長が教える 「算数力」は小3までに育てなさい』(田邉亨著・ダイヤモンド社刊)から抜粋・編集したものです。