10年連続で算数オリンピック入賞者を輩出している彦根市発の知る人ぞ知る塾「りんご塾」。天才を生み出すそのユニークな教育メソッドを、塾長の田邉亨氏が初公開した書籍『10年連続、算数オリンピック入賞者を出した塾長が教える 「算数力」は小3までに育てなさい』(ダイヤモンド社刊)が、このたび発売になった。本書を抜粋しながら、家庭でも取り入れられるそのノウハウを紹介する。

【算数オリンピック入賞者輩出の塾長が語る】いつもご機嫌な子の親が心がけていることPhoto: Adobe Stock

親はエンターテイナーになって子どもをごきげんにさせる

 親が声かけの仕方を工夫することで、子どもをその気にさせていくことは、勉強に限らずあらゆるシーンで大切です。要は、子どもが笑顔になって、ごきげんで過ごせる環境を提供するということです。

 りんご塾でも、それを心がけています。
 例えば、女の子がちょっとオシャレな格好をして来たとき。

「キミの周りだけパリだ。パリを連れてきたね。キミの後ろにエッフェル塔が見える!」

 アイドルっぽい格好をしてきた子がいたら、

「大きくなってスカウトされたら、インタビューのときに塾の名前を出してね。AKBとか入ったらお願い!」

 その気にさせて、最後にオチをつけるパターンもあります。

「◯◯くん、すごく脚が長いね。背も伸びると思うよ。モデルみたいだから写真を撮っておいたほうがいいよ。なぜなら次、胴が伸びるから」(子どもたちを20年以上見てきてわかったのですが、子どもは最初、脚が伸びて、次に首、そして最後に胴が伸びます。だから、小さいうちに全身写真を撮っておくのは本当にオススメ!)

親はいつもテンション高めでいよう

 このように、子どもをごきげんにさせる作戦は、ご家庭でも実践できます。

 例えば、いつもと同じオムライスを出すにしても、「これ、めっちゃうまく出来た! かなり完成度高いよ」とテンション高めで出せば、よほどまずくない限り、「うん。いつもよりおいしいかも!」となります。

 また、なんてことないチャーハンを出す場合も、「今日の晩ごはんはチャーハンだよ」ではなく、「ツナたっぷり 焦がし醤油チャーハンだよ」と言って出すほうが、子どものテンションは上がるはず。

 こんなふうに親子で楽しみながら、才能がすくすく伸びる環境を築いていきましょう。

 *本記事は、『10年連続、算数オリンピック入賞者を出した塾長が教える 「算数力」は小3までに育てなさい』(田邉亨著・ダイヤモンド社刊)から抜粋・編集したものです。