転職先の上司から「会社のため」と退職を促されましたが応じないといけないのでしょうか――。こんな相談が弁護士ドットコムに寄せられました。
相談者の女性が転職した先の上司は、「会社のため」が口癖で、女性にも執拗にダメ出しをしたり残業を強いたりするほか、「あなたの前職はレベルが低い会社だった」「スキルもプロ意識も足りない」などと言ってきたそうです。
さらに、「あなたには会社を辞めてほしい。私はこの会社を守ります」との内容が上司からLINEで送られてきたことに女性は参ってしまったようで、もう応じてしまおうかと悩んでいます。過去にも女性と同じように上司の“追い込み”で転職者や新卒が辞めていったことがあったようです。
女性はまだ会社に相談していないようですが、どう対応するのがいいのでしょうか。上司への処分を会社へ訴えることなどは可能なのでしょうか。金井英人弁護士に聞きました。
パワハラに該当する可能性ある
――上司からの言葉に辛さを感じた場合、どう対応すべきでしょうか。
上司からの「スキルもプロ意識も足りない」「あなたには会社を辞めてほしい」という発言は、一方的に相談者を非難し、辞めてもらいたいという上司の考えを示すものであって、相談者の指導のためにされた発言とは考えにくいです。
また、それによって相談者の方が働きにくくなってしまっていますので、こうした発言は「精神的な攻撃(侮辱・ひどい暴言)」としてパワーハラスメントに該当する可能性があります。