富裕層がひそかに狙う「次のオルカン」の意外な投資先【マネー専門家が解説】Photo:PIXTA

「投資の素人が集まると、そのテーマは終わる」――。こんな鉄則があると、前回の記事でお伝えしました。新NISAのスタートもあり、今年多くの人が注目した「オルカン」「米国株」はまさにこの状況です。では、資産防衛や運用に関心の高い富裕層は、「次のオルカン」として何に注目しているのでしょうか。(アレース・ファミリーオフィス代表取締役 江幡吉昭)

富裕層が狙う
「次のオルカン」は何か?

 投資テーマには、はやり廃りがあるものです。

 この10年は米国株、特にハイテク株が年率10%以上の高いパフォーマンスをたたき出してきました。しかし、今年になって投資に疎い日本人の一般の人まで「オルカン」「米国株」という時代に突入。さすがに投資テーマとしては一旦終わりではないか、と考えています。

 90年代前半までは日本株、2000年代はIT株、リーマンショック前まではBRICS株――。初心者を巻き込んだ状態にまでブームになると、投資テーマとしてはピークに達し、下落・もしくは当分上昇しない状況に陥ることは、歴史が示してきました(詳細は『米国株は「終わりの始まり」が近い!?投信残高「過去最高」でも専門家が懸念するワケ』参照)。

 では、米国株に変わる「次の10年」の投資テーマは何でしょうか。

 個人的にはグローバルサウスのどこかの国になるのではないかと思っていますが、現時点でどこの国かは分かりません。しかし、次のテーマの超有力候補が「株式市場の外にある」ということも言えるのではないかと、この頃考えています。それは、「暗号資産」です。

 最近も一時、暗号資産ブームがありましたが、あくまで現時点では「若者・一部の投資マニア、新しいもの好き」向けの話。ただ、将来的には、金(ゴールド)のように投資家層を一般の方にまで広げながら5~10年単位での中長期的に大きな価格上昇を伴うブームが到来するのではないかと考えています。

 私がそのように考える理由は2つあります。1つは、米国の衰退。もう1つは、暗号資産には通貨の機能を持つ特徴があるからです。