株高という追い風もあり、新NISAが盛り上がっている。筆者のもとに相談に来る投資ビギナーもかなり前のめりだ。しかし、そんなNISAに興味津々な人たちは、非常にもったいない“残念な行動”をしていることがよくある。(ファイナンシャルプランナー〈CFP〉、生活設計塾クルー取締役 深田晶恵)
「新NISA祭り」で
やる気満々の投資ビギナーが急増
NISAが今年1月に大幅拡充してから半年が経過した。拡充したことにより、NISAで投資を始めたい人が急増し、もはや「新NISA祭り」といっていいほどの盛り上がりを見せている。
運用益が非課税になるという国の後押しがある上に、昨今の株高により短期間で実際に利益を出している人もいることから、話題性は抜群。誰もが前のめりに「NISAをやりたい!」と言う。
私が受けるマネー相談でも「NISAで投資デビューをしたい」という人が増えている。コンサルティング当日は、事前に作成してもらった家計収支表を見ながら、無理のない積立額はいくらなのか、どの金融機関でNISA口座を開設するのがいいか、投資信託はどれを買うかなどを相談しながら一緒に決めていく。
商品については、メディアで話題になっているせいか、投資未経験の相談者でも「インデックス型の投資信託」や、「オルカン(オールカントリー、世界株式に投資する投資信託の略称)」を選びたいと言う。
少し前までの投資ビギナーは「何から手を付けるといいですか」「何を買うのがいいですか」と不安げな人が大半だったことに比べると、表情は全く異なり明るい。やる気満々にさせる「NISA祭り」は、なかなかすごい。
さて、NISAで投資デビューをする人の中には、とても大事なことを見落としている人が少なくない。
それは、勤務先の確定拠出年金(企業型DC)の商品選びだ。
企業型DCもNISAと同様に資産運用なのに、NISAにばかり前のめりで、企業型DCの重要ポイントを押さえていない。これは実に残念な行動だ。
今回は、多くの会社員が陥りがちな企業型DCでやらかしてしまう重大ミスを見てみよう。