人に好かれるも嫌われるも、真意が伝わるも伝わらないも、一目置かれるも軽く見られるも、すべては使う言葉次第。クイズに挑んで、ワンランク上の「大人の言い換え力」を身につけましょう!(クイズ制作/石原壮一郎)
クイズ
オフィスで、人家に入り込んだクマが駆除されたニュースが話題になった。どこか浮世離れしたタイプの同僚が、泣きそうな顔で「殺しちゃうなんて残酷よね」と言っている。
「お前は人の命とクマの命のどっちが大事なんだ!」と問い詰めたいところだが、話が通じる気がしない。かといって適当に同意するのも嫌だ。どう返すか?
(B)「そういう無責任な理想論は、当事者にしてみたらさぞ迷惑だろうな」
(C)「○○さんがそのクマを引き取れば、殺さずに済んだかもしれないね」
正解は……
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C
△ (A)「人間の食べ物の味を覚えたクマは、逃がしてもまたやって来るから」
× (B)「そういう無責任な理想論は、当事者にしてみたらさぞ迷惑だろうな」
◎ (C)「〇〇さんがそのクマを引き取れば、殺さずに済んだかもしれないね」
解説
クマが駆除されたニュースが報じられるたびに、市役所や役場には主に遠くに住む“心やさしい人”から抗議の電話が殺到します。対応する職員さんが気の毒でなりません。
安全な場所から「残酷だ」とか「かわいそうだ」とか言える人は、自分のやさしさに酔いたいという大事な目的があるので、その発言の身勝手さや傲慢さに気づくのは困難です。Aは十分に説得力がある説明ですが、このタイプがすんなり納得するとは思えません。
ここはCのように言って、当事者意識を持ってもらいましょう。本人はピンと来ないとしても、こちらの溜飲はちょっと下がるはず。Bもまったくそのとおりですけど、相手を責めるニュアンスが強く出てしまうので、大きなしこりが残りそうです。