私のSNSには、普段からそういう類のものばかり見ているせいか、投資商品の広告が大量に流れてきますが、最近「NISAだけじゃダメ!」「インデックス投資信託だけじゃダメ!」というようなあおり文句の広告が明らかに増えています。ひどいものになると、「NISAのセミナーで人を集めて(NISAの対象でない)金融商品を売れ!」といっているものまであります。
私としてはそれは「断末魔の叫び」に見えます。要は、NISAとインデックス投資信託があまりに優れているため、劣悪な投資商品が相手にされなくなっているのでしょう。それで、ネガティブキャンペーンを張って、NISAとインデックス投資信託から少しでも客を奪おうとしているのだと思います。
そのような投資商品も、投資を趣味とする愛好家に売れるのであれば、それはそれでよいでしょう。しかし、愛好家にすら売れないなら、単に市場から退場してもらえばよいだけです。投資にあまり興味のないみなさんは、そのような断末魔の叫びに耳を貸す必要は一切ありません。
大乗仏教の考え方は
インデックス投資信託に似てる?
平安時代末期から鎌倉時代中期にかけて、法然と親鸞という仏僧がいました。この2人は「南無阿弥陀仏」と念仏を唱えていれば誰でも極楽往生できるということを説いて「浄土宗」「浄土真宗」という現代まで続く宗派を創設しました。これらは「大乗仏教」というカテゴリーになりますが、この「大乗」とは「大きな乗り物」のことで、厳しい修行などしなくても念仏さえ唱えればその大きな乗り物で誰でも極楽に連れて行ってもらえるという宗派です。
この考え方はインデックス投資信託に似ていると思います。大乗仏教における重要な考え方は「自力で極楽に行こうなどと思うのは傲慢である」ということですが、投資も同じで、「自力で儲けようなどと思うのは傲慢である」といえます。仏教にも厳しい修行の末に悟りを開くことを目的とする宗派はありますし、投資で食っていこうという人なら厳しい修業も必要でしょうが、我々が毎日自分の仕事をしながら片手間の資産運用でその域に達しようというのは、まさに「傲慢」以外の何物でもありません。