「中学受験が不安→小学校受験する」はリスク大!やめた方がいいワケ【名門小の校長が忖度なしで解説】写真はイメージです Photo:PIXTA

創立107年を迎える私立小学校、成城学園初等学校(東京都世田谷区)。前回に引き続き、100校の学校を訪問してきた私が、高橋校長先生に親の“あるある”なお悩みをインタビューします。今回は多くの保護者が悩む「中学受験への不安」についてお話を伺います。(MagicAI Pass 取締役 横山美菜子)

「中学受験が不安→小学校受験する」は
リスク大!

横山:まず、成城学園の進路選択の実態について教えていただけますか?

高橋校長先生:本校では毎年1~2人程度しか中学受験をしません。

 ほとんどの生徒が内部進学を選択するのですが、これは単に受験から逃れるためではありません。私たちが大切にしているのは『学びを楽しむ力』の育成なのです。

 英語、水泳、運動、音楽など、さまざまな学びの機会を提供していますが、国語、数学(算数)、理科といった教科でも先取り学習が目的ではありません。その活動自体を楽しみ、深めていくことを重視しています。

横山:私が伺った授業では、通常の小学校とは異なる光景を目にしました。特に印象的だったのが、テストの採点方法でした。

高橋校長先生:はい。本校では『評定なし』の教育を実践しています。なぜなら、数字だけで評定(通知表のようなもの)を渡されると、子どもが苦手意識を持ってしまうからです。

次ページからは、【「中学受験が不安→小学校受験をする」がリスク大な理由】について、深掘りする。さらに、【「中学受験をしなくても学力が伸びる子」の特徴】【将来必要になる「本当の学力」の正体】についても解説していく。