「消極的な子」の親が無意識に繰り返しているNG行動【名門小の校長が解説】写真はイメージです Photo:PIXTA

100校の学校を訪問してきた私が、今回お邪魔したのは創立107年を迎える私立小学校、成城学園初等学校(東京都世田谷区)です。校内に一歩足を踏み入れると、「たかちゃーん!」と元気な声が響きました。校長先生を慕って呼ぶ子どもたちの姿が印象的です。近年多くの保護者が抱える「子どもの消極性への不安」について、成城学園初等学校の高橋校長先生にお話を伺いました。(MagicAI Pass 取締役 横山美菜子)

「子どもが消極的で心配…」
親はどうすればいい?

横山:私は多くの保護者から「子どもの消極的な面が心配」という相談を受けます。しかし「消極的」な子どもも「個性」として捉える事もできるのではと思っています。

 成城学園では創立以来107年間、「個性尊重の教育」を掲げていらっしゃいますが、その理念と実践方法について教えていただけますか?

高橋校長先生:本校の教育理念の根幹にある『個性尊重の教育』は、4つの希望理想の最初に掲げられ、創立時から107年間大切にしてきた価値観です。

 ただし、その実践方法は時代とともに大きく進化してきました。私が着任した当初は基礎基本を重視する従来型の学力観に近い時期もありました。しかし、子どもをよく見ないで全員に同じことをさせる画一的な教育では、今の時代に求められている真の個性は育ちません。

 そこで私たちは、個別最適化された学びへと発展させてきました。

 実は『個別最適な学び』という考え方は1980年代にも議論されていましたが、現在の取り組みはより進化しています。

次ページからは、【「消極的な子」の親がすべきこと】について、親の具体的な関わり方を深掘りする。さらに、【これからの時代に大切にすべき「4つの個性」】【今の子ども達が大人のなった時に絶対に必要な「2つの力」】についても解説していく。