私がこれまで訪問した100校以上の学校の中でも、成城学園初等学校(東京都世田谷区)ほど子どもの可能性を多角的に引き出す工夫を感じる学校は珍しいと感じています。今回は「子どもの可能性の引き出し方」について、美術科工芸の授業と学校の広報を担当する粟津先生(通称づんずん先生)に伺いました。(MagicAI Pass 取締役 横山美菜子)
「子どもの興味を広げたい…」
→どうすればいい?
横山:取材当日、私は朝一番に「ドーナツ池」と呼ばれる特別な場所での活動を見学させていただきました。子どもたちがザリガニ釣りに夢中になっている様子が印象的でした。
まず、「劇・散歩・美術」という特徴的な活動を取り入れている教育的意図を教えてください。
粟津先生:これらの活動は、すべて『探究する心』を育むために有機的につながっています。
例えば『散歩』は、単なる気分転換ではありません。低学年では身近な自然や地域との出会いを大切にします。それらが、中学年での理科で観察や記録の視点につながり、高学年の社会的な課題への気づきへと発展していきます。
横山:子どもたちの生き生きとした表情が印象的ですが、これも教育活動の一環なのでしょうか?
粟津先生:はい。ただザリガニを釣るのではなく、まず池をよく観察して、どんな道具が必要か、どうやったら釣れるのかを考える。そして、できるようになった子が、まだ苦戦している友達にそっと教えてあげる。そんな温かい学び合いの場なのです。
次ページからは、【「子どもの可能性」の見つけ方】について、深掘りする。さらに、【子どもの興味を広げる方法】や【毎日15分でできる「親のサポート方法」】など、家庭での環境作りについても解説していく。