「自力整体」とは、整体プロの技法を自分におこなう人気メソッドです。現在1万5000人が実践中。「久しぶりにぐっすり眠れた!」「10年間苦しんできた慢性痛から解放された!」「健康的にダイエットできた!」と絶賛の声が続々。「3分以内でできる悩み解決ワーク」を集めた著書『すぐできる自力整体』も好評。著者の矢上真理恵さんは、「不調のほとんどは自力整体で解消できる」と語ります。今回は『すぐできる自力整体』から足腰の健康に役立つ自力整体をお届けします。
監修:矢上 裕 矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
(写真/榊智朗 構成/依田則子)

【整体プロが指南】歩いてわかる老化のサイン。いっきに若見えする「ほぐすべき3ヵ所」とは?

この3ヵ所をほぐせば颯爽と歩ける!

「以前は颯爽と歩けたのに、歩幅が狭くなってきたかも?」
「カーペットの角に引っかかりやすくなった……」
「ちょっとした段差でもつまずくようになった……」

こんな歩き方は加齢や骨盤のゆがみによる典型的なサイン。
おもに、次の3ヵ所の筋肉や関節の縮みや硬さが関係しています。

1.腸腰筋
2.仙腸関節
3.股関節

※いずれも図参照

この3つの筋肉や関節が硬く縮んでくると、歩くときにももの付け根でひっかかり、上体を起こしにくくなります。すると歩行や姿勢に大きく影響します。

1.腸腰筋
「腸腰筋」は背骨と大腿骨をつなぐ唯一の筋肉。
硬く縮んでいると、股関節の動きも鈍くなり、ちょっとした段差でもつまずいたり、すり足になったり、開脚などもしづらくなります。また、背骨も引っぱられ、姿勢を正しくしようとしてもキープできず、猫背になります。腸腰筋がしなやかになれば、歩行もラクになり、背筋もすっきり。さらに、腰痛や坐骨神経痛も予防・解消します。

2.仙腸関節
骨盤には仙骨と腸骨があり、その2つを結ぶのが「仙腸関節」です。
「1.腸腰筋」が硬くなると、仙腸関節もズレやすくなり、歩きづらさ、痛み(腰痛・坐骨神経痛)、様々な不調が出やすくなります。

3.股関節
「股関節」は、「2.仙腸関節」の動きに連動しています。
股関節の可動域が狭くなると、カーペットの角に引っかかりやすくなったり、歩幅が狭くなったり、転倒しやすくなります

【整体プロが指南】歩いてわかる老化のサイン。いっきに若見えする「ほぐすべき3ヵ所」とは?

日ごろから、この3ヵ所の筋肉や関節が硬くならないように、自力整体のワークでほぐしておくことをおすすめします。おすすめの自力整体は、いっきに腸腰筋・仙腸関節・股関節をほぐす「腰のユラユラほぐし」のワークです。颯爽と歩けるようになるとともに、腰痛、坐骨神経痛も和らげます

ワークは次のとおりです。

腸腰筋・仙腸関節・股関節をほぐす「腰のユラユラほぐし」のワーク

画像を見ながらおこないましょう(※画像は書籍『すぐできる自力整体』より)。

【整体プロが指南】歩いてわかる老化のサイン。いっきに若見えする「ほぐすべき3ヵ所」とは?
【整体プロが指南】歩いてわかる老化のサイン。いっきに若見えする「ほぐすべき3ヵ所」とは?

◎「腰のユラユラほぐし」のワーク

※長めのタオルを用意しましょう

【手順1】
◆あおむけになり、両足裏にタオルを引っ掛ける
◆両脚を天井に上げる。このとき足裏は天井に対して平行。脚の裏側やアキレス腱はのばす
◆脚を前後にゆする(しばらくユラユラ。回数はお好みで)

※ポイント1:足にぶらさがるイメージで首も脱力
※ポイント2:腰ののびを感じましょう

【手順2】
◆足裏にタオルをひっかけたまま、両ひざを横に開き、脚をおろす
◆両かかとはお尻に近づける
◆両ひざを左右交互にユラユラ・パタパタとゆする(回数はお好みで)
◆首・腰もユラユラゆする

※時間に余裕のある時は、書籍『すぐできる自力整体』で紹介している「驚くほどほぐれる4つのコース」(QRコードからスマホで視聴できる動画つき)も足腰の健康に役立ちます。

『すぐできる自力整体』では、この他にも、整体プロの技法を使って、コリや痛み、ゆがみを解消するワークを多数掲載しています(★35分の動画も収録)。

【整体プロが指南】歩いてわかる老化のサイン。いっきに若見えする「ほぐすべき3ヵ所」とは?矢上 真理恵(やがみ・まりえ)写真左
矢上予防医学研究所ディレクター
1984年、兵庫県生まれ。高校卒業後単身渡米、芸術大学プラット・インスティテュートで衣装デザインを学び、ニューヨークにて独立。成功を夢見みて、徹夜は当たり前、寝るのはソファの上といった多忙な生活を続けた結果、心身のバランスをくずし動けなくなる。そのとき、父・矢上裕が考案し約1万5000名が実践している「自力整体」を本格的に学び、心身の健康を取り戻し、その魅力を再発見。その後、自力整体ナビゲーターとして、カナダ、ヨーロッパ各地、イスラエルにて、クラスとワークショップを開催。さらに英国の名門セントラル・セント・マーチンズ大学院で「身体」をより体系的に学び、2019年に帰国。現在、国内外の人たちに自力整体を伝えながら、女性のための予防医学をライフワークにしている。著書に、『すごい自力整体』(ダイヤモンド社)がある。

監修者:矢上 裕(やがみ・ゆう)写真右
矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家
1953年、鹿児島県生まれ。関西学院大学在学中の2年生のとき、予防医学の重要性に目覚め、東洋医学を学ぶため大学を中退。鍼灸師・整体治療家として活躍するかたわら、効果の高い施術を自分でできるように研究・改良を重ね「自力整体」を完成。兵庫県西宮市で教室を開講、書籍の出版やメディア出演などで注目され、全国から不調を抱える人々が続々と訪れるようになる。現在約500名の指導者のもと、約1万5000名が学んでいる。著書に『自力整体の真髄』『はじめての自力整体』(ともに新星出版社)など多数。遠隔地の人のために、オンライン授業と通信教育もおこなう。 写真/榊智朗