シリアのバッシャール・アサド大統領が予想外に早く失脚したため、同国の将来を巡る問題は退任を控えたバイデン米政権にとって――恐らくトランプ次期政権にとっても――優先度の低い問題から重要な懸案事項へと転換している。米政府当局者らは、アサド氏を亡命に追い込んだ反体制派の中でも特に、「シャーム解放機構(HTS、旧ヌスラ戦線)」と呼ばれるイスラム主義勢力の狙いを把握しようとしている。HTSは、シリアの首都ダマスカスで誕生する新政権で重要な役割を果たすとみられるが、米政府からは外国テロ組織に指定されている。最善のシナリオは、アサド政権後のシリアがイランの影響力から解放され、これによりイランがシリアを介しレバノンの親イラン組織ヒズボラに武器を供与できなくなることだろう。
政権崩壊後のシリア、米の重大懸案に急浮上
「バイデン政権は当初からシリア問題と意図的に距離を置いてきた」との指摘も
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