今週開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)は0.25ポイントの利下げで今年を締めくくることをすべての兆候が示している。フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標が実際に0.25ポイント引き下げられれば、9月以降の利下げ幅が1ポイントに達する。われわれの疑問は、なぜ今利下げなのかということだ。米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長は、FRBが目標とする2%に向けたインフレ率低下の流れが止まっているのに、この路線を追求している。先週発表された11月の米消費者物価指数(CPI)は前月比で0.3%上昇した。前月までは0.2%の上昇が4カ月続いていた。前年同月比のCPI上昇率は、全体が2.7%で、食品とエネルギーを除くコア指数では3.3%だった。CPIの先行指標である卸売物価指数(PPI)の前月比上昇率は11月に0.4%と、5カ月ぶりの高水準を付けた。