「自分には武器がない、強みがない」という悩みは、人生で多くの人がぶつかる壁だろう。能力がない、と嘆く人も実は環境によって無意識に自分を抑え込み、自信を失っているだけの場合もある。競争の激しい漫画業界で生き延びてきた著者が語る、自分の魅力を開花させる『商品化』とは?※本稿は、コハラモトシ著・樺沢紫苑監修『一人反省会をして、いつも落ち込んでしまう人へ』(日本実業出版社)の一部を抜粋・編集したものです。
自分は能力が低いから
他では通用しないと思ってしまう
ノミは1メートル以上ジャンプできるけど、コップをかぶせて生活させると、その後に自由になっても、コップの高さまでしかジャンプできなくなるそうです。
これって人間も同じで、今いる環境が能力を制限していたり、そこでの低い成果が自分の能力だと思い込んでしまったりすることがあります。セルフイメージが下がって自信を失い、行動できなくなって成果も出ない……という負のループになります。
勝手に限界を決めて、自分で自分を制限しちゃうことってありますよね。
その原因の1つに身を置く環境があって、職場環境や人間関係によって、気づかない間に自分の能力を抑え込まれていることがあります。
「ここしか自分の居場所がない」と思い込んだり、「他では通用しない」と根拠のないことをいわれて逃げられない。これは、コップをかぶせたノミと同じ状態ですね。
本来は、もっと高い能力を発揮できる環境があるハズなので、それを見つけるためにも逃げていいんです。
そのためには、「逃げてはいけない」という思い込みのコップを外すことです。
「適材適所」という言葉があるくらい、才能や能力は適切な場所でこそ輝くので、自分が活躍できる環境に身を置くことが大切です。
ぼくは、色々な場で作品を投稿しているけど、同じ作品でも場を変えるだけで反応が全然違うことがあります。
環境が違うだけで結果も変わるのなら、「自分が有利になる場所で戦う」のも立派な戦術で、それをするためには、自分を知っておく必要がありますね。
他人にはない自分だけの才能は
「需要のある希少性」になる
こうした時に、「才能」というワードが出てきます。
「才能は需要のある希少性」とぼくは考えていて、希少性のある特技や能力を、その需要がある場で発揮することで輝くし、多くの報酬を得られます。
逆に、すごい特技や能力でも、その需要がなければ、価値を感じてもらえないです。
価値は相対的なものなので、競争相手がいない場にいくのが良いです。